結論から言いますと、全額回収は可能です。
が、しかし、それは裁判を経ての話です。そして消費者金融サイドに返金の体力が無くなりつつあるのが現状です。これは大手の金融会社も決して例外ではなく、今後予想される過払い金を含み損として勘定すると、赤字に転じる見通しの大手会社も実際に出てきています。
では泣き寝入りして払い過ぎたお金を全て取り戻すことは諦めたほうがいいのか・・・。
これに関しては違う意見の方もいらっしゃるでしょうが、「潔く諦めましょう!」というのが私の意見です。簡単に言うようですが、ちゃんとした理由もあります。
まず、和解を申し出た消費者金融サイドに「和解はお断りします」という返事を突きつけると、最終的には裁判で争うことになります。最初に述べた通りその裁判の結果全額回収は可能です。
しかしここで大事なのは、その裁判に係る全ての費用は債務者負担だということです。
借金返済に困っている人間にとっては、この負担を負うことは余りにも非現実的です。それどころかせっかく過払い分を全額回収したとしても、裁判に係った費用を差し引くと和解していた方が回収できた額が多かった・・ということになる可能性大です。
たとえ高い利率とはいえ、もともとは自らも承諾して借りたお金だと言うことを考えれば、今後の戒めとして全額回収できなくとも納得はいくはずです。しかしながら、最初に提示された和解金額をすぐ鵜呑みにする必要はありません。それに少し上乗せしたぐらいの金額を逆に提示してみて、司法書士さんに相手側と交渉してもらうぐらいがちょうどいいでしょう。
任意整理等の最大の目的は「借金ゼロ!」です。
いくら回収できるかにこだわるより、これ以上苦しかった返済の日々を引き延ばさないことに重きを置くのが得策です。何とか返済できてきた月々の返済額は、贅沢をしなければ和解後にはそのまま月々の貯蓄額にまわせる可能性を秘めています。
過払い金と和解金との差額は、本当に困っていたときにお金を貸してくれた金融会社への感謝のしるしとして差し上げますというぐらいの気持ちが、本当の意味で人生をリセットする根本を担う心の持ち様になるのではないでしょうか。