糖尿病治療の過程で起きる、あるいは、インスリノーマによる低血糖については除外してお話します。
> (機能性)低血糖症ってどんな病気?
< 低血糖症状・・・・手足の冷え・呼吸が浅い・眼の奥が痛む・動悸がする・頻脈・狭心痛・手足の筋肉の痙攣・失神発作・月経前緊張症・手指の震え・締め付けられる頭痛や片頭痛・発汗(特に冷汗)・嘔吐感・顔面蒼白・体重減少・胸痛・便秘・立ち眩み・痙攣・目前暗黒感・日光が眩しい・甘いものが無性に食べたい・胃腸が弱い・口臭・溜息・生あくび・異常な疲労感・起床時の疲れ・意識障害・日中、特に昼食後の眠たさ・集中力の欠如・眩暈・ふらつき・物忘れが酷い・眼のかすみ、等。
脳にとって糖は唯一のエネルギーであるために、体はどんなことをしてでも脳に糖を供給しようとします。それは、末梢の神経を初めとした組織に糖の供給をストップしてでも、脳を働かせる為に上記のような症状が表れてしまうのです。メカニズムは書ききれないほどなので、ネット検索してみてください。『反応性低血糖』or『機能性低血糖』
> 原因と治療法を教えてください
< 低血糖症の多くは「機能性低血糖症」で、その原因は色々考えられる。
1. 砂糖等の摂り過ぎから始まるインスリン過剰分泌による反応性低血糖症
2. 2型糖尿病の初期に観られるインスリン過剰分泌による機能性低血糖症
3. ストレスによって引き起こされるストレス反応性低血糖症
4. 血糖値の変化が少ない無反応性低血糖症
等々があります。
日本の保健医療では、糖尿病を診断する検査はありますが、低血糖症そのものを判定する診断基準、並びに、検査方法はありません。つまり、医学辞典には機能性低血糖症そのものが載せられておらず、医療従事者たちは低血糖症への認識が薄いのが現実です。
しかし、診断基準がない・検査方法が(保険適用では)ない・・・だから、その病が存在しない ことにはなりません。現実に機能性低血糖は存在するのですから。
治療法ですが、低血糖症の原因によって異なります。
原因の1. 及び 2.では、砂糖等単純糖質を嗜好品からも、食事からもなくす。一日三食の食事を、少量頻回で5~6食で振り分けて食べる。鉄欠乏がその背景にあることも多く、動物性鉄・タンパク質・ビタミンを豊富にする。肥満があれば、健康に痩せる。毎日の有酸素運動を怠らない。
原因 3. 4. のケースですとかなり難解です。
ストレス反応で低血糖を引き起こす場合、そのストレスを探り当てることから始めなくてはいけません。
精神的ストレスなのか? 肉体的ストレスなのか? 酸素供給に関わる鉄欠乏性貧血がストレスなのか? 抱える不定愁訴がストレスとなっているのか? 経済的苦境、社会参加が侭ならない・・・とか、結構複雑です。
血糖値の変化が少ない無反応性低血糖症では、甲状腺機能低下などが関わっているケースも多く、その治療も並行して行わなくてはなりません。
お礼
大変参考になりました。 的確な御回答、本当にありがとうございました。