労働法的には、決して「正しい」ことではないのですが、ご質問のようなことが、往々にして実際に行われていることは、本当に残念と思います。
まず、労働者の側に、職務上の非行がある場合に、使用者が、当該労働者に対して懲戒処分を行うことができることは、間違いがありません。
ここでいう「労働者」は、常用であると、臨時であるとを問いませんから、いわゆるアルバイトの労働者に対しても、使用者が懲戒処分をできることにも、間違いがありません。
○ 就業規則
しかし、最近の裁判所の考え方によれば、使用者が懲戒処分を行うためには、その事由と処分の内容とを、就業規則に定めておかなければならないことになっています。[最判昭54.10.30、最判平15.10.10]。
質問者さまの職場では就業規則があって、その就業規則に減給処分を含む懲戒処分についての規定が置かれているでしょうか。
前記の裁判所の考え方を前提とする限り、小規模の職場で就業規則の作成義務が免除されている職場でも、使用者が懲戒処分をしようとするなら、就業規則を定めておくことが必要になることでしょう。
まず、このことを確かめてください。
前記の裁判所の考え方を前提とすると、就業規則に基づかない懲戒処分は、無効です。
○ 就業規則の周知
就業規則は、作成されているだけでなく、労働者に周知されて、初めてその効力が出ると理解されています。[大阪高判昭41.1.20]
質問者さまの職場では、就業規則の周知が図られていましたか。
事前に周知が図られていなければ、その就業規則に基づく懲戒処分は無効です。
○ 懲戒処分の内容
労働者に懲戒事由があるからといって、使用者は、どんな懲戒処分でもできるわけではありません。
一般に懲戒処分には、軽い順番から、けん責、戒告、減給、出勤停止、懲戒解雇などの種類があるとされています。
労働者にある懲戒事由と、実際に行われた懲戒処分の内容・程度とが、バランスしていなければいけないのです。[相当性の原則 丸尾拓養「労働法実務相談シリーズ5 解雇・雇い止め・懲戒Q&A」労務行政、2008年]
このバランスを欠く懲戒処分も、無効となるでしょう。
いきなり、減給処分というのは、いかがなものでしょうか。
しかも、ご質問を前提とする限り、その限度が、法定の制限を超えているようです。
以上の点を使用者に質問して、善処が図られない場合は、労働基準監督署に是正指導を依頼するというのが、この手の問題処理の常道と思います。
お礼
回答ありがとうございます。 懲戒処分については理解しました。 ただし、減給額は10分の1を超えています。 なので「今回のケースは違法である」と結論付けてよろしいでしょうか? また、労働時間のうち一時間は休憩時間として無給なのですが、実際はその時間も働いています。かつ毎日1~2時間のサービス残業を行っています。そのような勤務状態でわずかな時間をスカイプに費やしたとしても懲罰を受けるに値すると判断されますでしょうか? (私的利用自体が違法であり、懲罰には変わりない?)