人工透析には腹膜透析という方法もあるので、
シャント手術でダイアライザー(人工透析器)への入口を作るだけが
すべてではありません。
また、腎不全の程度はクレアチニン値で示されるのですが、
この検査数値に著しい改善が見られれば、
人工透析を必要としなくなることもあり得ます。
(一時的な人工透析、ということも当然あり得ます。)
いずれにしても、今後の腎不全の動静と医師の診断次第だと思います。
お身体を大事になさって下さい。
一方、腎臓機能障害による身体障害者手帳の交付には基準があり、
人工透析を受けていることが絶対条件、というわけではありません。
少し専門的になりますが、具体的な要件は以下のとおりです。
1級・3級・4級があります。2級は存在していません。
4級 ⇒ 1級 へと進むにしたがって、その程度が重くなります。
4級<以下の条件を満たすこと>
1.内因性クレアチニンクリアランス値(又は以下の2)
20mL/分以上 30mL/分未満
2.血清クレアチニン濃度
3.0mg/dL以上 5.0mg/dL未満
3.家庭内での普通の日常生活活動:支障がないこと
4.社会でのきわめて落ち着いた日常生活活動:支障がないこと
5.それ以上の日常生活:著しく制限されること(又は以下の6)
6.以下のどれか2つ以上の所見があること
・腎不全に基づく末梢神経症状
・腎不全に基づく消化器症状
・水分電解質異常
・腎不全に基づく精神異常
・X線写真所見における骨異栄養症
・腎性貧血
・代謝性アシドーシス
・重篤な高血圧症
・腎疾患に直接関連するその他の症状
3級<以下の条件を満たすこと>
1.内因性クレアチニンクリアランス値(又は以下の2)
10mL/分以上 20mL/分未満
2.血清クレアチニン濃度
5.0mg/dL以上 8.0mg/dL未満
3.家庭内でのきわめて落ち着いた日常生活活動:支障がないこと
4.それ以上の社会生活:著しく制限されること(又は以下の5)
5.以下のどれか2つ以上の所見があること
・腎不全に基づく末梢神経症状
・腎不全に基づく消化器症状
・水分電解質異常
・腎不全に基づく精神異常
・X線写真所見における骨異栄養症
・腎性貧血
・代謝性アシドーシス
・重篤な高血圧症
・腎疾患に直接関連するその他の症状
1級<以下の条件を満たすこと>
1.内因性クレアチニンクリアランス値(又は以下の2)
10mL/分未満
2.血清クレアチニン濃度
8.0mg/dL以上
3.身辺の日常生活:著しく制限されること(又は以下の4か5)
4.血液透析を必要とすると認められること
5.極めて近い将来(概ね3か月以内)に血液透析を必要とすること
検査値は、血液透析が始まる前のものを使って判断されます。
血液透析の必要の有無よりも検査値を重視、という点がポイントです。
お礼
大変遅くなりましたが、丁寧なご回答ありがとうございました。 数値がよくなれば、一時的な人工透析があり得るのですね。 「お試し期間」と言われた意味もわかりました。 私自身のことではないのですが、その人は結局ずっと人工透析することになるようです。 身体障害者手帳は症状が固定(安定?)した時点で医師が書いてくれるようで、結局書いてもらったそうですが、そうなるとシャント術の時期と申請の時期に数ヶ月ズレがあるため「なぜもっと早く書けないのか?余計な医療費がかかったじゃないか。」と考え不信感を抱いたとのことです。 いろいろと勉強になりました。ありがとうございました。