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三谷幸喜の映画作品の見どころ
三谷幸喜の映画作品の見どころと面白さを教えてください。 2作ほど見ましたが、何故、公開前に騒がれるのかわかりません。 笑えないし面白くもありません。 また、俳優陣が大物なのもわかりません。 どなたか見どころを教えてください。 宜しくお願いします。
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早速、#4にお礼をいただきまして。 まず『笑いの大学』。これは劇場用パンフレットでも謳っているとおり、菊谷栄という実在の喜劇作家をモデルにしている点が魅力です。戦死した菊谷栄については、無邪気な笑顔の横顔写真が残っています。 映画を見た当時に自分が書いた感想を見返してみたのですが、戦争とはそもそも、人々がなんの心配もなく一緒に笑える日が来るようにと願って始めるものなのに、その戦争を進めていく過程で、人は、笑いを我慢するどころか抹消しようとまでしてしまうところが本末転倒だと感じたのを思い出しました。三谷脚本は、こうした社会の本末転倒さ加減に、笑いを通じてメスを入れようとしている点が一貫しています。いってみればコメディの王道です。コメディとはそもそも風刺であったりしますので。なので、どちらかというと「な~んも考えないで大笑いする作品」というよりは「んん、そうそう、困るんだよねえ、わっはっは」という感じで観る作品ばかりです。『笑いの大学』もそんなに笑えない話なのですが、笑いのために体を張った人を、きちんと笑いで描いている点は共感できるんですよね。 翻って『THE 有頂天ホテル』。他のご回答にもあるように、イギリス的なシニカルな笑いを醸し出す三谷ですが、その原点はアメリカの喜劇王ビリー・ワイルダーです。自他共に認めるワイルダー大ファンで、ああいう、ちょっとオシャレで1950年代な世界が三谷さんはお好きなのです(なので、この映画にもきちんと「THE」を付けてあげましょうね)。しかし三谷さんなので、そこはどうでしても、日本人的四畳半になりがちで、そこがまた独特の魅力でもあるのですが。 『THE 有頂天ホテル』はそんな時代や世界をほうふつとさせる小粋なホテルが舞台です。もちろんオールスターキャストですが、その多くは、舞台を含む過去の三谷作品に出演した人なので、そのよしみもあるでしょう。逆に言えば、ファンにとっては、“三谷ファミリーを一気に見られる楽しみ”みたいなものが、ちょっとあるんじゃないでしょうか。 モチーフはグレタ・ガルボ主演『グランド・ホテル』とフレッド・アステア&ジンジャー・ロジャース主演『有頂天時代』から来ています。そういう、いろいろな人々が踊るように騒然と行き交い、大晦日が開ける直前に一気にまとまる爽快感が見どころです。ちなみに、私は出演者の多くが、あまり好みではないので、この映画はさほどピンときませんでした。でもラストには、それも許せるや、という気分になるような締めがあります。 『ラヂオの時間』は今観ると、それほど新鮮さがないかもしれませんが、そもそも三谷幸喜は舞台出身ですし、そんなに壮大で派手なものを期待せずに、ちょっとアメリカンで基本は日本的小市民な世界を垣間見るつもりで楽しむと、ちょうどいいかもしれませんね。 ちなみに、ほかのかたへのお礼欄にある宮藤官九郎の作品はお好きなのでしょうか。私はどちらかというと、世代的に三谷のほうが幾分か居心地いいのですよね。
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- disease
- ベストアンサー率18% (1239/6707)
この人の作品を見るといかにも舞台人が作った映画だなと思います。 セット撮影が多いし、同じシーンでの会話劇が多めだからです。 まあ自分的には三谷作品はどっちかというと好きですが、映画撮るなら舞台のことは忘れろと言いたいです。 舞台らしさが良い部分も多々ありますが・・・
お礼
ご回答ありがとうございます。 是非、舞台作品をDVDで見てみたいと思います。
- k16399638
- ベストアンサー率33% (342/1035)
笑いの大学は、舞台版の「笑の大学」をご覧になるといいでしょう。映画よりはるかにおもしろいです。 http://www.parco-city.com/mall/commodity_param/shc/18pla017/ctc/09/cmc/PLS0141/backURL/http%28++www.parco-city.com+mall+main.jsp ガスター・テン! の人が、検閲官を演じています。登場人物は終始二人のみで、映画のように話が散逸していません。 この劇は密室劇としてロシア、英国でも上映され評判になったので、つまらなくはないです。こちらをおすすめします。
お礼
ご親切な回答ありがとうございます。 ロシア、英国でも上映され評判となると興味深いです。
- ucok
- ベストアンサー率37% (4288/11421)
三谷幸喜映画作品は『ラヂオの時間』でブレイクした時に、それまでの邦画にはないテイストがあって、結構、衝撃的に面白かったんですよね。 役者の使い方も、『君の名は』のしっとりした役柄でブレイクした鈴木京香さんをズッコケ主婦に仕立て上げていたり、既に存在感のあった渡辺謙を超脇役(しかしスパイスは効いているの)にもっていったりしたのも面白かったし、とにかくパロディが爆笑もんでした。 三谷世代はもともと、『スネークマンショー』に代表されるパロディ全盛時代に青春を送ってきた世代なので、パロディが好きなんですよ。その、“ありそうで、なさそうで、ちょっとあり得ないくらい大げさだけどありそう”なパロディが『ラヂオの時間』では活きまくっていて、これを作る三谷とは何者ぞ?と思っているところへ、本人がトークショーを総なめしながら、自らパロディをふりまき始めたんで、期待度が高まったんです。 ただ、正直、その後の作品は、『ラヂオ~』に比べたら劣ります。かといって、『ラヂオ~』世代から見ると「全然ダメ」ってわけじゃないので、「おお、あいかわらずの三谷ブシ」と嬉しくなる部分があるのです。言ってみれば、『シックス・センス』で湧いた期待度を引きずっているM・ナイト・シャマラン監督とか、“とりあえずこの人の舞台には出ておきたい”と思わせる蜷川幸雄とかに近い存在だったりするような気がします。ただ、このかたたちにも増して、“一部の世代ウケ”感はあります。 ちなみに何をご覧になったのでしょう。パロディが多いだけに、具体的な作品がわからないと解説しにくい面はありますが。
お礼
ご親切な回答ありがとうございます。 真髄に触れた感があります。 M・ナイト・シャマラン監督の項で大変、納得できました。 「笑い大学」と「有頂天ホテル」を見ました。 次回ラヂオの時間を見てみます。
- agapanthus
- ベストアンサー率50% (45/90)
三谷さんの笑いはどちらかというとイギリス的なような気がします。 ブラックユーモアが各所に散りばめられていますし、伏線が多いですし。 見所といえばその伏線の使い方ですかね。 日本人の好きなドリフ的な笑いはありませんし。 俳優陣が大物なのは皆さん三谷作品に出たがっているからだと何かに書いてありました。 笑いも話の内容も個人的な好みがありますので面白くないと思った作品をいくら説明しても面白くはならないと思います。 私も三谷作品が全て面白いとは思いませんし。 面白くないままでもいいんじゃないでしょうか。
お礼
ご親切な回答ありがとうございます。 面白くないままでも良かったんですが三谷氏がテレビに出る度に今回の疑問がよぎり気になっていました。 そして今朝でテレビで宮藤官九郎の『なくもんか』の宣伝を見てなぜか長年の疑問を払拭しようと思い立ちました。 私もブラックユーモアは好きなのでその線で見直してみたいと思います。
私も面白いとは感じませんでした 要するに主観の問題でしょうね 先日亡くなられた森繁さんたちが出演されていた 喜劇映画の方が 数百倍も面白かったですよ
お礼
ご親切な回答ありがとうございます。 昭和の喜劇映画は笑えますよね。 北東、東南アジアを旅するとあの頃の日本もこんなだった、といつも感じます。 まんまの登場人物が街のそこかしこに居ます。
- kanau122
- ベストアンサー率39% (839/2148)
何をごらんになったのかはわかりませんが、有頂天ホテルや笑いの大学は私も個人的にさほど面白くなかったです。 マジックアワーは面白かったと思います。 三谷さんは好みが別れる作品と思います。 使う役者さんも結構固定され気味ですし。 ただ、私も彼の監督作品にはさほど惹かれませんが、脚本だけ手がけている作品は割りと好きです。 古畑任三郎とか、脚本は結構秀逸に出来ていると思いますよ。 12人の優しい日本人をごらんになってみてはいかがでしょうか。
お礼
ご親切な回答ありがとうございます。 まさに、有頂天ホテルと笑いの大学しか見ていないのです。 マジックアワーと12人の優しい日本人を見てみます。
お礼
ご親切で丁寧なご回答に深く感謝いたします。 宮藤官九郎氏の作品が好きな訳ではありませんし多分、見た事もないと思います。当サイトと同じ話を知人にしたところ宮藤氏の方が断然面白いと言われたので、かねてからの疑問を解消するべく投稿させていただきました。思いがけなく深い見どころを皆様から教えて頂けて感謝するとともに驚いています。菊谷栄を早速、検索しました。喜劇作家としての才能を高く評価されながら対極ともいうべき場所で出征から僅か1ヶ月後に戦死と知りその運命に愕然としました。この作品を観たのは飛行機の中だったのでもう一度部屋で見直したいと思います。ucok様ありがとうございました。