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真空管のstarvation modeとは?
- 最近のVOXのエフェクターに内臓されている真空管はstarvation modeという、低電圧で動作する状態で動くように設計されているということを聞きました。
- 具体的にstarvation modeとはどういう状態なのでしょうか?ロードラインなどはどうなるのでしょうか?主にオーバードライブを作り出す為に使われているのかと思いますが、パワーアンプもその状態で作れるのでしょうか?
- 詳しい方がいらっしゃいましたら御回答、もしくは参考サイトを御紹介いただけるとうれしいです。
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回答が出ないようなので、参考程度になってしまいますが、書かせていただきます。 starvation mode ということで、VOXのクールトロンと呼ばれている一連の製品のことかと思います。 これらは、乾電池(4本)、すなわち 6V の電源でもチューブ(真空管)を作動させることが可能であることを売りとしておりますが、この電源の条件では、理論上、チューブの回路をまともに作動させることは不可能です。 現在、内部の電気回路を実際に調べていないので、確かなことが書けないのですが、仮に、昇圧素子(DC-DCコンバータ)で6Vから100V以上の高電圧を作り出し、チューブのプレート電圧用の電源(B電源)に使っているとしても、チューブのヒータ用の電源(A電源)は、電圧は低い(⇒通常は6.3Vあたり、すなわち6Vでもなんとかなります。)けれども、消費電流が大きいですから、さすがに乾電池では数分で終わりとなってしまうでしょう。 したがって、他社の低電圧作動のチューブディストーション等と同じく、この製品群の信号処理回路は、IC(オペアンプ)等との混成回路(ハイブリッド形式)で、チューブは最終的な味付けの役割(⇒偶数次倍音を増やし、まろやかな音質にする。)をしているに過ぎないものかと想像されます。 そして、ヒータはホンの少ししか発熱させない、つまり、プレート電流を少量しか流さないような状態で使っているのでしょう。(もし違っていたら、ごめんなさい。) これまでの他社の場合は、さすがにACアダプターを使って、消費電力の大きいヒータ用の電源を確保していたわけですが、そうではないVOX のクールトロンとは、チューブの”プレート電圧-プレート電流の特性グラフ”の本当に原点に近いような部分にロードラインがひけるような設定にて、ホンのわずかチューブを作動させているのでは? よって、これが、starvation mode というものかと推測されるのですが・・ 先日、実際にこれらの製品の1つ(Dual Overdrive)を試奏してみましたが、やはり、チューブで構成した本来の回路で得られるような歪みの音質ではなく、従来の低電圧作動のハイブリッド形式での音に近いものでした。 高電圧作動による純粋なチューブ回路での歪みの音とは、偶数次倍音と奇数時倍音が適度にブレンドされた上で、ロングサスティーンも得られるものとなりますが、通常のオーバードライブ系のものと同じく、高域の音の成分の少ない、こもりぎみの音質になっていました。(⇒このような意味では、ブースターとしての使用は可能かとは思いますが。) といったことで、明らかに、この方式は、利得(ゲイン)を得るという、アンプとしての役割は果たさないもので、エフェクト的な回路ということになるものでしょう。 よって、パワー管を同方式で作動させるといったことも不可能となるはずです。
お礼
なるほど。肝心の音がそれではダメですね。 実際に使われた方の意見ということで大変参考になりました。 ありがとうございます。