抜歯では、おなかの手術とは違って、歯の分だけ歯肉の長さが足りません。従って歯肉を縫い合わせる事が出来ないので、歯のあった部分の歯肉は縫いません。
但し、親不知などで歯肉を切開して抜いた場合は、切開部分については縫い合わせます。
抜歯した後の穴には血が溜まります。皮膚で言うところのカサブタのような状態ですが、口の中では乾燥しないのでカサブタにはなりません。
この血で満たされた中で、骨や組織が再生し、埋めていきます。
最初に抜いた痕の骨の表面に歯肉の粘膜が覆います。この粘膜が覆ってしまえば血溜まりの役目は一応終わりなので取れてしまいます。
【注意】ココまでの期間に血溜りが取れてしまい、感染を起こすと非常に強い痛みが出て、治りにくいドライソケットと言う状態になりやすくなります。
気にしなければいいのですが、あまり強くうがいをしない事が大切です。
また硬い食べ物やコロモ等が血溜まりを傷つけて出血する事があります。
微量で薄まったような色で、15分程度で止まれば大丈夫ですが、濃い色だったり止まりにくいようなら歯医者に連絡しましょう。
表面を粘膜が覆っても、そこには大きな凹みがあります。
この凹みに食べ物のカスなどが入りっ放しになると、炎症を起こして痛みを出しやすくなります。粘膜が炎症によって破れてしまい、上記のドライソケットのような状態になってしまう事があるので気をつけましょう。
【注意】この時期は食後によくうがいをして、食べかすが溜まらないようにしましょう。この時期になればウォーターピックの使用も大丈夫です。もし重苦しい感じや違和感を覚えるようなら歯医者に連絡し確認して貰いましょう。
粘膜の下では盛んに組織の再生が行なわれ、やがて穴は埋ります。
…これが通常の抜歯後の変化と注意点です。
穴が塞がらないにもかかわらず縫う事があります。
これは歯肉のブラつきを抑えて、血溜まりを固定するのが主な目的です。
縫合した場合は、歯肉が切れてしまわないように、次のことに注意しましょう。
・強く噛み締めない
・大きな口をあけない
・食事や歯磨きは通常通りで良いですが、縫った部分は軽く撫でるように磨いてください。
縫うことには血溜まりを固定すると言うメリットと逆に「食べかすが引っかかり易くなって、感染を起こしやすい」というデメリットもありますから、食後の真水、又は薬用うがい薬によるうがいと、優しい歯磨きを必ず行なってください。
通常は、およそ一週間程度で糸を取ります。
お礼
抜糸についての説明、注意事項ありがとうございました。