カムと言うのは、
エンジンのシリンダー(燃焼室)にガソリンと空気の混合気を送り込む吸気バルブと、
シリンダーの中の排気ガスを外に出す排気バルブ
を開けたり閉めたりするものです。
ボアアップすると言うことは、シリンダーを今までより大きくすることです。
大きくなれば、当然、今まで以上に多くの混合気を吸い込む必要がありますし、排気ガスも多く出ていかなくてはいけません。
でも吸気バルブと排気バルブが、今までと同じでは十分に吸気も排気もできないんです。
そこでカムを大きくして、吸気バルブと排気バルブが開いている時間を長くするのが、ハイカムの役目です。
ストローでジュースを飲むとき、吸い込む時間が短いとあまりジュースを飲めませんよね。
でも子供であれば、それで十分な量なんです。
これがボアアップする前で、ハイカムも入れていない状態です。
大人が同じストローでジュースを飲むとき、子供と同じ時間だけジュースを吸い込んでも、量が少なくて満足できない。
これがボアアップして、ハイカムを入れていない状態です。
でも同じストローを使っても、子供より長い時間吸い込んでいれば、大人でも満足する量のジュースが飲める。
これがボアアップして、ハイカムを入れた状態です。
ほかにもバルブの開度が広がって、吸排気の空気抵抗が減るとか、いろいろありますが、基本はこんな感じです。
でも機械の相性やセッティングによって、ボアアップしても、ハイカムを入れたほうがいい場合と、入れないほうがいい場合があります。
このあたりはやってみなければわからない部分ですので、とりあえずハイカムを入れてみたほうがいいのではないでしょうか?
そのあとセッティングをいろいろ変えてみて、どうしても調子が良くならないとき、ハイカムを疑ってみるというのが、普通のやり方です。