競馬のタイムはハロン(200Mの単位。Fで表記)毎で表示される
ことがあります。
例えば8月31日の新潟メインのG3新潟記念で言うと
13.1-11.4-12.1-12.2-13.0-12.6-11.7-10.9-10.4-12.2=1分59秒6
テンが(前半3F=36.6)上がりが(後半3F=33.5)で
それぞれの区間ラップは「常に先頭の馬」が対象となっています。
これは上がり3Fだろうが、4Fだろうが変わりません。
分かり易く言うと、逃げ馬が残り4F地点までは先頭でも
バテてしまい、二番手の馬が3Fを先頭で通過、更にラスト1Fでは
10番手だった馬が差し切って先頭に立ちそのままゴールすれば、
それぞれの馬が区間ラップを計時するということです。
つまり逃げ馬が勝てばレースラップ=勝ち馬のラップです。
これを踏まえると、上がりの競馬とは各馬が余力を持って
ラストの4F(800M)ないし3F(600M)を迎え、ほぼスローペースで
隊列は密集した形で直線を迎えた加速力(瞬発力)勝負ですね。
ラスト3Fは直線の短いコースなら3コーナー過ぎ、新潟や東京なら
ほぼ直線部分で、ラストスパートの区間です。
つまり序盤、中盤が緩く流れて正味3Fだけの競馬を
「上がりの競馬」と言います。
この上がり4Fや3F部分と勝ち馬と他馬の上がりを3Fを
比較して勝ち馬の評価に繋げたりもします。
近年の競馬はこの瞬発力が求められる事が多いのですが
クラス間のレベル差は「中盤のスピード」の違いに寄る所が
大きく、一概に上がりだけが速ければなんとかなるものでは
ないことは憶えておくべきでしょう。
ペースを作るのが逃げ馬といっても、緩いペースで好走傾向が
ある馬もいれば、ガンガン飛ばして他馬に済し崩しに脚を
使わせるタイプもいるのですから。
長くなりましたが、「上がり3F・4Fの意味」はレースや馬の
一面を表す指標の一つだと捉えれば良いのではないでしょうか。
お礼
たいへん詳しいご回答ありがとうございました。実は私は新潟在住で土曜メインの朱鷺Sを現地で観戦していました。単勝万馬券が出るほどの波乱のレースでしたが、このレースは逃げ・先行馬が多く、そのため結果的には先行勢は苦戦を強いられ、結果人気薄も含めた外枠の追込馬が上位を占めました。そもそも新潟は外枠の追込馬を狙うのがセオリーのようですが、このレースの感覚のまま新潟記念を外枠の追込馬中心で買った私は再び涙を飲むことになりました。新潟記念のラップについてはご回答いただいたとおりですが、これといった逃げ馬がなく淡々とした流れになった場合(確かテレビでは前半1000Mを62秒と言っていましたが)はさすがに新潟の外回りでも内枠の先行馬にアドバンテージがあったということでしょうか。つまりレースを検討するうえではそのレースがスローペースになるのかハイペースになるのかを予想できれば(言い換えれば先行馬が多いのか少ないのかがわかれば)馬券を獲るのに近づくことができるのでしょうね。(そもそも距離もコースも違う朱鷺Sと新潟記念を比較するのは間違っているのかもしれませんが・・・。)実際に自分が予想・検討したレースについて詳細な解説をいただき、大変勉強になりました。