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サイレント映画「散り行く花」のオリジナル時間について
サイレント映画に詳しい方に質問します。 私はD・W・グリフィス監督の「散り行く花」が好きでDVDを購入したのですが、疑問に思った事があります。 そのDVDの収録時間は60分とありましたが、インターネットで他メーカーの同作品のDVDを調べたら、74分や80分と作品の収録時間がバラバラなのですが、これはどういう事なのでしょうか? それと「散り行く花」のオリジナルは何分の作品なのでしょうか?
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正確な分数は、はっきり言ってわからない、ようです。 現時点ではKINO社というDVD製作会社が販売したバージョンが90分で、これがオリジナルに近いとされていますが、データではオリジナルは90分から95分くらいだったのでは?とはっきりした数字は示されていないようです。 どうしてこんなことになったかといいますと、1919年という製作時に90分の無声映画というのは製作会社としては分数が長すぎて商売には向かないと判断。会社の幹部と揉めたため、グリフィスが会社から権利を買い戻し、他社で公開に漕ぎ着けるなど、随分とすったもんだがあったようです。 これは想像ですがこの時点で行方不明になったカットなどもあったんじゃないかと思います。 その後、ビデオ時代になり70分台のものが製品化され、1980年代には作曲家のカールデービスがスコアを付けたバージョンというのも新たに発表されまして、これがフィルムコレクターの方が所有していたバージョンをつかったもので、長さが90分とされています。 といった具合で、90年も前の映画となると国家的な財団がちゃんと保管でもしていない限り、『オリジナル』と呼べるものがよくわからなくなってしまうってことでしょうね。 余談ですが黒澤明監督の「姿三四郎」もロシアで発見されたバージョンがいちばん長くてオリジナルに近いとされています。東宝が所有していたものよりもなんと12分も違ったそうです。 「アラビアのロレンス」のような大作でも実は3つの長さのバージョンが存在しています。 監督が全権を握られないので、こんなことが起こるんでしょうね。
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- zoom10
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オリジナルかわかりませんが、『Wikipedia』では、90分と出ています。
お礼
とても詳細な回答をして頂きありがとうございます。 最近は昔の名作映画がディレクターズカット版や完全版と銘打って、監督の意見とは違う未公開シーンを繋いでオリジナル版として販売しているメーカーも多く、本当のオリジナル版じゃない作品が多いですね。 あくまでオリジナルに近い版しか見れないのが残念です。 話を最初に戻しますが、本当に具体的で詳細な回答ありがとうございました。