支配説ですね。
ジェンダーと言語の研究を大学でおこなっていたので、つい目がとまり、回答させていただきます。
男性が女性を支配しているという定義が言語学の中でも起こりました。
これを支配説と呼びます。
しかしながら、この説にはある矛盾点があるのです。
全ての男性が女性を支配しているのか。という点です。
確かに男性優位の社会が昔成り立っていたかもしれません。
しかし、今は女性が社長であったり、女性が男性の財布を握っていたりと全ての男性が女性を支配しているわけではないのです。
逆を言えば、支配されていない女性もいるわけです。
よって、この支配しているということは言えなくなるわけです。
では、男性は女性を支配していると錯覚しているという錯覚という点についてみていきましょう。
OchsとTaylorという人たちの研究によれば、女性が男性優位に仕立て上げているという結果が出ています。
彼女たちの研究は、アメリカの中流階級の夫婦に注目しています。なおかつ、5歳以下の子どもがいてさらに年上の兄弟がいる家庭に注目しています。そのなかで、母親は、会話を始める導入者としての役割を担いながら、会話の中心を子どもに引き寄せます。その一方で母親は子どもの話の主要な聞き手として父親を指名しているのです。父親は母親の指名を受け、聞き手として、問題化を行っています。「それは違うんじゃないか?」など家族に対して評価を行っています。
つまり、この評価の権限を母親が父親に与えているというのです。
父親の権威は母親によって作り出されていると言うことから、男性は自分は女性や子どもを支配しているのではないかと錯覚しやすいと考えられます。
お礼
支配説があるんですね。女性が男性を優位に仕立て上げている、父親の権威は母親によって作り出されている理論ですが、とてもよく分かりました。さすが大学の研究です。ありがとうございました。