5月にモデルチェンジされる新型レガシィは、エンジン排気量が2.5L(SOHC2.5とDOHC2.5ターボ)と3.6L(DOHC3.6)になる予定です。
これは、北米仕様と同一のエンジン構成で、このモデルから日本仕様とも言えた2.0Lを廃して完全に海外仕様と同じエンジン構成になります。
また、車体もアウトバックは北米仕様とほぼ同一、セダン・ワゴンは日本向けにフェンダー部分の張り出しを小さくしているようで、全幅を(北米仕様よりも)40mmほど狭い1780mmに抑えています。
つまり、新型レガシィは北米(海外)仕様のものを日本向けに若干手直しして日本デビューさせる、ということです。
今回は明らかに日本軽視ともいえるモデルチェンジなのですが、これは、
・今やスバルにとって北米市場が一番重要視する市場であること
・欧州市場においても、レガシィが属するDセグメントの他車(メルセデス・ベンツ_Cクラス、BMW・3シリーズ等)が軒並み車体を大型化しているのでそれに対抗する必要があること
・日本ではセダン、ワゴンとも市場が縮小しているうえに、回復する目処が殆ど見られないことから、販売が多く見込めない日本市場専用の車体とエンジンを設計・製造するのはコスト的に負担が大きいこと
・スバルの経営事情からも、全体的な車体やエンジンの共通化によるコストダウンが必至
などの諸事情からこうなったものと推測されます。
ちなみに、セダン/ワゴンで車体が大型化しているのはレガシィだけではありません。
先日モデルチェンジしたホンダのアコードセダン/ワゴンも、主たる市場である欧州・Dセグメントに対応する為に大型化(全幅1840mmはインスパイアやレジェンドとほぼ同じ)した車体のまま日本デビューしましたし、同じく欧州で優秀な販売成績を残しているマツダ・アテンザもDセグメントの大型化に対抗するために全幅を広げようとしたけれど、日本での販売も考慮してギリギリの妥協点である1795mmの全幅とした、といった例もあります。
近年の日本の新車自動車販売市場は明らかに縮小傾向にあり、また売れる車もコンパクトカーやエコカーが多く(ミニバンですら販売は縮小傾向にある)、今後もその傾向は続くであろうことから、どうしても販売の主軸を海外に移さざるを得ないという各社共通の事情があります。
海外市場の重視と車体の共通化によるコストダウン、その例を如実に示したのが今回のレガシィのモデルチェンジなのかもしれません。
ちなみに私は現行レガシィユーザーなのですが、今回のモデルチェンジを見て「現行形が日本で受け入れられる最後のレガシィなのかな…」とも思えてきたりしてます。
お礼
>ちなみに私は現行レガシィユーザーなのですが、今回のモデルチェンジを見て「現行形が日本で受け入れられる最後のレガシィなのかな…」とも思えてきたりしてます。 雑誌でモデルチェンジしたものを見ると、私も同様の考えを持ちました。 ありがとうございました。