あなた方家族の意思では売却を望まないにも関わらず,土地や建物を処分されるケースは次の3つが通常考えられます。
1 担保権の実行といって,いちばん多いのは抵当権や根抵当権を当該不動産に設定している場合に抵当権者が競売手続をとるもの
2 強制競売といって判決など裁判の結果に基づく債務名義というものの効力で債権者が競売手続をとるもの
3 破産手続の中で通常,破産管財人が売却を行うもの
1の抵当権等は不動産の持分(=名義人の比率割合)に設定されているか,物件全体に設定されているかで結論が変わってくることが多いといえます。
仮に土地全体に抵当権等が設定されていれば,土地だけ売却の対象となりますが,抵当権設定後の新築ということになれば,土地を競売で買った者から「建物を壊すか移築して更地にしろ」といわれます。
土地・建物全部に設定していれば,持分は関係なく全部もっていかれます。
土地の持分だけの場合は次の2のケースとほぼ同じです。
当然のことですが,抵当権の設定後に名義を変更しても持分だけの設定に変わるのではありません。
2の場合は特定の人に対してしかできないことから,父名義の持分だけがターゲットにされます。持分だけを競売で購入しようとすることはかなり希なので,お母様の見解のとおりになる可能性が高いといえます。
3の場合も2とほぼ同じですが,売却できなければ破産手続が進まなくなるという別の問題が生じます。
具体的に上記のどのケースにあたりそうかは,土地の登記簿謄本を取ってみて,司法書士か弁護士に尋ねたほうが良いかもしれません。