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南米の左派政権って、どういうふうに左なの?

よく、「南米では左翼政権がボコボコできている」なんて言ったりしますが、この左翼政権ってのはどういう意味で左翼なんでしょうか? 別に共産主義体制なわけではないんですよね? 高福祉国家政策ってことですか? 累進課税が強いってことですか? ケインズ主義ってこと? 国営企業が多いってこと? それとも反米ってことでしょうか? そもそも反米ってどういうことでしょうか? アメリカ企業に強い規制をかけるってことでしょうか? それともアメリカとの軍事同盟を破棄するってことですか?

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回答No.2

南米の左翼は共産主義となっているキューバも含めて、元々欧米企業の支配からの脱却、または自国に取り戻すためのものです。中南米の資本の殆どはアメリカ合衆国なので、昔からアメリカの裏庭と呼ばれています。合衆国とは別々の国々ですが、経済的に支配され、政治的にも従属され、実質的に植民地と化していると言っても過言ではありません。基本的にこれらの国の産業は合衆国の資本なので、生産物にはかなりの割合のロイヤリティーを合衆国に支払い、自国の利益は余り残りません。また、それらを管理する自国の特権階級のような人たちがいて、政治、経済を合衆国の威光の元に支配しています。 自由の女神を理想とする、自由主義国家アメリカ合衆国が帝国のように支配している構造なのです。残念ながら中南米の一般民衆の「自由」に対する希望を持てるのは社会主義的な左翼なのです。 左翼と言っても確かにイデオロギーや経済への考え方は共産主義や社会主義に影響を受けていますが、根本的にはアメリカ支配からの開放を目指したものです。大規模プランテーション農場を小作人に分けるとか、欧米企業の工場、油田を一旦国有化するとかの政策です。 欧米から見ると、確かに泥棒になるのだと思いますが。 特に、最初に中南米で合衆国の支配から最初に脱却したキューバは、社会主義的な考えを持ちつつも、最初は共産主義にするつもりはなかったのですが、合衆国が過剰に反応したために、経済的な行き詰まりと、ソ連への接近に追い込んでしまいました。結果的に共産主義にならずを得なくなったのです。しかし、この結果は、反米=共産主義のイメージを固定することになりました。 中南米の左翼は、昔メキシコ革命で経済、社会を支配している白人層からインディオや混血の人々に分け与えようとした、エミリアーノ・サパタの思想の影響を受けているので、サパタ主義とも言われます。 なお、ペルーのゲリラ、センデロ・ルミノソは毛沢東派の共産主義で考え方は全く異なります。 >この左翼政権ってのはどういう意味で左翼なんでしょうか? >別に共産主義体制なわけではないんですよね? の回答としては、米国の経済、政治支配からの脱却を目指す、サパタ主義の考えに強く影響を受けたものですが、結果として共産主義体制を選択することもありえるといえます。 皮肉ですが、中南米では自由を勝ち取るための社会主義、左翼なのです。

  • nacam
  • ベストアンサー率36% (1238/3398)
回答No.1

基本的には、社会主義政権、または社会主義的な考え方を持つ政権を言います。 中南米諸国の経済は、完全にアメリカ企業の資本が握っており、従来の政府は、そのアメリカ資本に対処することができず、自国の利益よりも、アメリカ資本の利益のために働いていたという側面がありました。 そのため、利益を独り占めにするアメリカ資本やそれを反故する政府への反発から、利益を国民に分配しようとする社会主義的な勢力が力を持つことになりました。 内容は、国ごとに異なっています。 ベネズエラ、ニカラグア、ボリビア、エクアドルなどは、反米強行派として、国家権力を使ってアメリカ資本の追放、国営化を進めていますが、チリ、ブラジル、アルゼンチンなどでは、政府によるアメリカ企業への便宜を止めた程度の行いになっています。 逆に、コロンビア、グアテマラ、ホンジュラスなどでは、それらの事情を利用し、アメリカ資本との結束を強化し、利益を得る方向に動いています。 中南米の左派政権は、オバマ大統領になった事により、極右のブッシュ政権の時にくらべ、行動が沈静化してきていますが、ボリビアだけは、今後内乱がおこりそうな状況に突き進んでいます。 特に人工的多数派を占める貧しいアンデス地域と、ボリビア経済の大半を担う人工的な少数派である低地地方との対立が増大しているからです。