将棋の持ち時間ですが、これはアマの対局の場合、プロの対局の場合など各種あります。
アマチュアの対局では「切れ負け」というのが良く使われます。これはチェスクロック(対局時計)を利用して、例えば持ち時間が30分ならば自分の考慮時間が合計で30分を越えると「時間切れ負け」になります。この場合は、秒未満であっても時間を計るのが機械ですから積算されていきます。また、1手30秒というような制限をつける場合もありますがこの時は誰かがストップウオッチを使って秒を読みます(チェスクロックにもこの機能がついています)。
プロの対局では持ち時間が6時間というのが標準ですが、この場合、時間は記録係がストップウォッチで計ります(プロの公式対局ではかならず記録係がつきます)。そして、1分未満の消費時間は切り捨てます。ですから、終盤になって持ち時間が残り1分となっても59秒で指していれば永久に指し続けることができます。普通は記録係が「30秒・・50秒、1、2、3、4、5、・・」と秒を読み「10」と言われたら時間切れ負けとなります。逆に言うと「9」までで指せば良いわけで、加藤一二三9段などは「1分将棋の神様」と呼ばれていて何十手もこれで指し続けることがあるようです。
また、プロの対局でもTV用のものでは、持ち時間が極端に短く、持ち時間10分それが切れたあとでは1手30秒というのが普通のようです。この場合でも持ち時間が切れるまでは1分以内の指し手は消費時間としてカウントしません。ここからご質問のような1分ごとにカウントする「考慮時間」というのが出てくるわけです。つまり、例えば5分40秒考えて着手したとすると、1分ごとに考慮時間を使うという形になり全部で考慮時間を5回(5分)使ったということになります。TVでは画面が固定して動かなくなることを嫌いますから、「考慮時間」などと言って画面に動きを与えるという役目もあります。で、この持ち時間を使い切れば1手30秒以内に着手すればこれまた永久に指し続けることができることになります。
結局「考慮時間」というのは持ち時間のことであってTV用に作り出された言葉のようです。そして、持ち時間をどうするかというのは「対局ルール」の一つですからそのときどきに応じて変化します。アマチュアの大会では多くの対局を一定時間内に終わらせなければなりませんから、「切れ負け」ルールが多く、プロは少しでも考える時間が欲しいことと、盤面以外の条件で勝負がつくことを嫌いますので、1分未満は消費時間としない(1分弱考えられる)と言うようにしているのだと思います。もう一度書きますと「考慮時間の回数」は固定したものではなくて対局のルールですからその時に応じて回数は変化します。持ち時間が10分ならば10回ですし、15分の持ち時間ならば15回です。
お礼
ありがとうございます。やっとわかりました。考慮時間1回が一分って誰も説明してくれないし、どこにも書いてないから、わからなかったのです。お手間を取らせました。疑問が解消できたこと大変感謝しております。ありがとうございました。