私は日本のホテルで働いた後スイスのホテルスクールに留学し、その後イギリスの大学で修士号を取り、そのまま大学に残って講師をしています。
なので他の国の事はわかりませんが、知識のあるスイスとイギリスについて少し説明します。
スイスにはホテルの専門学校がたくさんありますが、コースはHigher Diploma までがほとんどで、そのコースを履修後提携している大学(英国がほとんど。たまに米国の大学もあります)のホスピタリティマネージメントコースの学士号の最終学年に編入という形をとる所が多いと思います。
英国に行くのではなく、そのままスイスの学校で英国の大学のコースを履修するので慣れた環境で勉強を続けられるという利点はありますが、「英国の大学の学士を取るなら英国で」と実際に英国に移る学生も時々います。
スイスの専門学校とイギリスの大学で違うところは、
1)スイスのホテルスクールは3食付の全寮制で制服があります(制服が無い所もスーツ着用が普通です)。学費にはこれらがすべて含まれます。
イギリスの大学は大学なので自由です。大学の寮に入るか自分でフラット(=アパート)を借りますが、この費用や他の生活費は学費には含まれません。
2)スイスのホテルスクールは先生も生徒も世界中から集まるので非常に国際的な環境に身を置く事ができます。いろんな国の文化や言葉を覚えるには格好の環境ですが、きれいなアメリカ・イギリス英語はなかなか覚えられません。
イギリスでもホスピタリティコースは留学生が多いですが、基本的にはイギリスの文化や習慣で生活をすることになるので卒業するころにはかなりイギリス英語になる学生が多いです。留学生同士でつるんでばかりだとこの限りではありませんが。
2)スイスのホテルスクールは実務的な知識や技量の取得に重点を置き、イギリスの大学はアカデミックな知識や考える力を養うことに力を入れています。
ホテルスクールは1年と2年の半分は現地実習ですがイギリスの大学では実習はオプションのところが多いです。
3)ホテルスクールでは科目も細かく分かれているし時間割も月曜から金曜まで毎日ほぼ一日中授業があります。そのほかにも昼食や夕食の時間にカフェテリアでの当番があったりもします。
イギリスの大学は講義の時間数多くて週12時間程度じゃないでしょうか。残りの時間は自由ですが、この方がかえって自己管理能力を問われます。
4)就職率は業界とのリンクがしっかりしているホテルスクールのほうが圧倒的に高いと思います。私のホテルスクール時代の友達も帰国してすぐにマネージャーレベルの仕事に就いた人が結構います。
イギリスの大学の卒業生(特にイギリス人)は卒業後ホスピタリティとは関係の無い仕事に就く人も割りといます。よく言えばつぶしが利く、悪く言えば将来の目標がはっきりしない学生が多いです。
他にもいろいろありますがこの辺にしておきます。大学でもそれなりに実務的要素はありますが、ホテルスクールのレベルには及びません。
国際的な環境でみっちり実務を学びたいのであればホテルスクール、
アカデミックな知識や考える力を伸ばしたいのであれば大学かなあと思います。
ホテルスクールで有名なのはローザンヌですが入学するには実務経験が必須だったと思います。他には Les Roches, DCT, SHMS, Glion など。
イギリスの大学では Surrey, Oxford Brookes, Sheffield Hallam, Leeds Mertopolitan あたりが有名どころですね。
ご参考まで。
お礼
フィジーにもあるんですね。費用が安いことも魅力的です。ありがとうございました。