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ウォンはどこで買えますか?
来月、韓国に旅行に行くのですが、 為替が安い今のうちにウォンを買っておいたほうが良いと聞きました。 どこで買うのが手数料が安く買えますか? 銀行でしょうか?それとも町の両替屋でしょうか? 全然わからないので、みなさんどこで買っているのか教えてください。
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- Umada
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韓国ウォンへの両替自体は、銀行の大規模支店や空港内出張所、専業の両替商、金券ショップなどで可能ですが、日本国内でまともなレートを出しているのは韓国系銀行の支店および出張所だけです。それ以外の場所で両替すると大損します。 両替のレートがどのように決まるかから説明いたします。銀行はその日の気分で適当に両替のレートを決めているのではなく、外国為替市場における銀行間レートを参照しながら売りレート・買いレートを決定しています。 銀行間レートとは外国為替市場において文字通り金融機関間の取引に使われるレートで、新聞やテレビが「今日の東京外国為替市場、終値は1ドル=97円10銭でした」と報じているレートは断りのない限りこの「銀行間レート」です。一般の顧客はこのレートでの取引きはできず、売るにしても買うにしても必ずいくらかの手数料を支払います。 一方、銀行間レートは常時変動しているので、取引きの都度銀行レートを参照するのでは窓口での処理が煩雑になります。そこで各銀行は「銀行間レート」に代えて「公示仲値」というものを定め、一日を通してそのレートを取引きの基準に用います(*1)。公示仲値は各金融機関が独自に定めるので必ずしも横一線ではありませんが、金融機関間の差は0.1%か大きくても0.2%といった程度です。また世界の為替市場の銀行間レートは連動しており、日本の金融機関と韓国の金融機関で公示仲値が大きく食い違うこともありません。 実際の両替レートや送金レートは公示仲値に一定のマージンを上乗せすることで機械的に計算されます。マージンの設定は両替する国や銀行によって異なり、それが最終的な両替レートの違いに反映されます。 具体例で見てみましょう。No. 2の回答にある「ワールドカレンシーショップ」(三菱東京UFJ系)のレートは[1]で見ることができます。11月14日11:01時点で、販売が8円53銭→100ウォン、買取が100ウォン→5円53銭です(*2)。公示仲値は記載されていませんが販売レートと買取レートを足して2で割れば推定できます。上記の数字からは公示仲値の推定値として(8.53+5.53)÷2=7円03銭と求められます。 日本円から韓国ウォンへの両替レートは8円53銭→100ウォンですから、片道当たり1円50銭が上乗せされている(=両替で目減りする)と分かります。上乗せ分はこの日のレートで21%にも相当し、相当不利な両替であることが分かります。(No. 2の方、このような低レートの両替法を気安く紹介しないで頂きたいです) 他の金融機関では、みずほ銀行[2]が同じ11月14日で8円50銭→100ウォン・100ウォン→5円50銭とこれも良くありません。有利と言われる金券ショップも韓国ウォンの両替レートはお得とは言い難く、例えば[3]が8円54銭→100ウォン・100ウォン→5円54銭、[4]が8円43銭→100ウォン・100ウォン→5円73銭といった具合です。両替商は[5]などが有名ですが、8円62銭→100ウォン・100ウォン→5円41銭といった具合でさらに低レートです。No. 1の回答にあるように「似たり寄ったり」ではありますが、実態は「低レートで似たり寄ったり」です。 韓国系銀行はどうでしょう。例えば韓国外換銀行の東京支店[6]、11月14日12:40の現金両替レートは販売が7円25銭→100ウォン、買取が100ウォン→6円71銭です。上と同様の計算をすると公示仲値の推定値は6円98銭、片道の目減りは3.9%と見積もられます。3.9%なら両替として悪い数字ではありません。 同じく韓国系の新韓銀行[7]も両替を扱っています。日本で両替する場合のレートはインターネット上で発表していませんが、私が2007年5月に羽田空港国際線ターミナルの新韓銀行出張所で調べた際は片道2.8%程度の上乗せでした(*3)。これも悪くないレートです。 ということでまともなレートでウォンに両替したければ韓国系銀行に行くしかありません。ただし支店は極めて少なく、韓国外換銀行は東京と大阪のみ、新韓銀行は東京(羽田空港出張所含む)、大阪、福岡(博多港出張所含む)のみです。また昨今両替客が急増しているために、在庫切れで両替できなかったり、在庫があっても長時間待ったりという事態も起きています。お出かけの際には事前に在庫状況を確認ください。 韓国で両替するとどうでしょう。参考ページ[8]は韓国・IBK銀行[9]の現金両替レート(Cash)です。例えば11月14日の17:37の現金両替レートは100円→1418.12ウォン、1468.62ウォン→100円です。公示仲値は記されていませんが、送金レート[10]の"Buying", "Selling"を足して2で割れば公示仲値を推定できます。この日の数字ですと(1429.66+1457.08)÷2=1443.37ですので、これを公示仲値と考えることにします。現金のBuyingは100円→1418.12ウォンですので、公示仲値からは(1443.37-1418.12)÷1443.37=0.01749...で1.75%の目減りと分かります。空港での両替はもう1%程度上乗せされているように見受けられるのですが(*4)、いずれにせよ日本の銀行や両替商、金券ショップで両替するよりはるかに有利です。 ということでお近くに韓国系銀行がない場合は、旅行される際に韓国で両替するのが最善の選択でしょう。今のうちに買っておきたいお気持ちは分かるのですが、無理に日本の銀行で両替したところで20%が目減りで消えてしまいます。これに対し韓国に着いてからの両替なら目減りは3%で済みます。 今からご旅行の時点までに韓国ウォンが17%以上値上がりすれば「今のうちに日本で両替しておいて良かった」ということになりますが、来月までの短い間に韓国ウォンがそこまで値を戻すとは考えにくいですし、逆に韓国ウォンがさらに値下がりすることだってあり得ます。 為替の動きを正確に読み切るのは専門家でも難しいですが、無理に日本の銀行でウォンに両替しておくことは私ならやりません。(ウォンの先買いは為替投機にほかなりませんので、売買されるなら判断はご自身の責任でお願いいたします) 【まとめ】 (1) 日本国内で韓国ウォンに両替する場合、まともなレートを出しているのは韓国系銀行(韓国外換銀行、新韓銀行)だけです。 (2) 韓国系銀行以外の日本の銀行や両替商、金券ショップなどで両替すると20%も目減りしてしまいます。お近くに韓国系銀行がなければ、無理に今日本で両替するよりご旅行の際に韓国で両替する方法で十分でしょう。 参考ページ [1] http://www.tokyo-card.co.jp/wcs/rate.html [2] http://www.mizuhobank.co.jp/corporate/bizinfo/information/market/cash.html [3] http://kinken.homepage.jp/change/ [4] http://www.ticketzone.jp/gaika/gaika_index.html [5] http://www.travelex.jp/ [6] http://www.koex.jp/ [7] http://www.shinhan.co.jp/ [8] http://english.ibk.co.kr/en/include/f_exch01.html [9] http://english.ibk.co.kr/en/home.html [10] http://english.ibk.co.kr/en/include/f_trans01.html *1 1日に数回改定を行う金融機関もあります。 *2 「売り」「買い」の主語は常に金融機関や両替商側です。日本で「韓国ウォン売りレート」と言えば「金融機関が顧客に韓国ウォンを売るレート」ということで、これが日本円から韓国ウォンへの両替レートに当たります。逆に韓国では日本円が外貨になりますから、日本円から韓国ウォンへの両替レートは「金融機関が顧客から日本円を買うレート」、すなわち「買いレート」を見ることになります。 *3 その後のウォン急落と昨今の為替相場不安定により、上乗せ幅は1,2%拡大している可能性もあります。 *4 私が過去にソウルの仁川空港や釜山の金海空港で複数回レート調査をした限り、上乗せ幅は3%前後でした。2%を切っていたことは記憶にありません。
- 参考URL:
- http://www.koex.jp/