やはり何をもって「ゆとり教育」と称するかですよね。
子供の義務教育を終えてつくづく感じるのですが、結局、宿題が大幅に減ったり、厳しい指導が少なくなったりしたおかげで、学校では、さぼろうと思えばさぼれるようになり、また、さぼろうと思わなくても、質問をするのが少しばかり苦手だと取り残されるようになりました。
したがって、学校でしてくれない指導を補うべく、皆がこぞって塾に通うようになりました。塾に行って初めて公立中学の勉強に付いていけているという状態の子は多く、ましてや人並みの高校受験は塾なしで考えにくい状況です。さらには、学校自体が事実上、「生徒は塾に行っている」という前提で授業を進めています。
そんな中、さまざまな事情で塾に通えない子だけが、学問から取り残されていきます。経済面では、補助制度を設ける自治体も増えましたが、小中学生はお金さえあれば一人でも塾に出かけていける年齢ではありません。家庭でサポートできなかったり、心身の病気などで行けない子との格差は広がるばかり。そして、そんな教育に失望した保護者たちのあいだで公立中学離れが起きています。
日頃の授業にゆとりを持たせることで、遅れている生徒に対して、学校が補習を充実させたり、余った時間で(今は事実上なくなった)学芸会など文化的行事を盛り上げるというのなら賛成ですし、むしろ必要だと思いますが、結局は“”付きの“ゆとり教育”ゆえに施されなくなった教育を、保護者が必死になって塾で補ってもらっている状態ですよね。