微分方程式 xy"-y=0 の解の基底
今年(2018年)で52歳になる、数学が趣味の会社員です。
ISBN4-563-00561-4「技術者のための高等数学-1 常微分方程式 原書第5版」
(現在、市販されている原書第8版より一つ古い版)の 164頁に載っている 8番
下記の問題がどうしても解けません。
次の微分方程式の解の基底を求めよ。プロベニウスの方法により得られた級数が
よく知られた関数の展開であることを確かめよ。
8. xy"-y=0
基底の一つは、
y1=c0*Σ(m=1~∞)[x^m/((m-1)!*m!)]
までは分かったのですが、もう一つの基底、
y2=k*y1*log(x)+(x^r2)*Σ(m=0~∞)[Cm*x^m]
が計算できません。
y1を求めるまでの過程ですが、下記のとおりです。
x*y"-y=0 … (1)
解はy=(x^r)*Σ(m=0~∞)[Cm*x^m]の形になるので、
y=(x^r)*Σ(m=0~∞)[Cm*x^m]=Σ(m=0~∞)[Cm*x^(m+r)]
y'=Σ(m=0~∞)[(m+r)*Cm*x^(m+r-1)]
y"=Σ(m=0~∞)[(m+r)*(m+r-1)*Cm*x^(m+r-2)]
これらを(1)に代入すると、
x*y"-y
=Σ(m=0~∞)[(m+r)*(m+r-1)*Cm*x^(m+r-1)]
-Σ(m=0~∞)[Cm*x^(m+r)]=0 … (2)
x^(r-1)の係数の和を0とおくと、
r*(r-1)*c0=0
C0<>0なので、
r*(r-1)=0
r=r1,r2 r1=1, r2=0
r=r1=1 のとき
(2)にr=r1=1を代入すると、
Σ(m=0~∞)[(m+1)*m*Cm*x^m]-Σ(m=0~∞)[Cm*x^(m+1)]=0 … (3)
x^sの係数の和を0とおくと、
(s+2)*(s+1)*c[s+1]-Cs=0 (c[s+1]はcの右下に小さく「s+1」です)
c[s+1]=Cs/((s+1)*(s+2)) … (3)
(3)でs=0のときは
c1=c0/2=c0/2!
(3)でs=1のときは
c2=c1/(2*3)=c0/(2!*3!)
(3)でs=2のときは
c3=c2/(3*4)=c0/(3!*4!)
y1は
y1=(x^r1)*Σ(m=0~∞)[Cm*x^m]
なので、
y1=(x^1)*Σ(m=0~∞)[(c0*x^m)/((m-1)!*m!)]
=c0*Σ(m=1~∞)[x^m/((m-1)!*m!)]
ここで力尽きました。
「よく知られた関数の展開であることを確かめよ。」とあるので、そもそも
この級数が初等関数の組み合わせになるのでしょうか ?
y1が正しいかどうかを検算した結果は、以下のとおりです。
y1=c0*Σ(m=1~∞)[x^m/((m-1)!*m!)]
y1'=c0*Σ(m=1~∞)[m*x^(m-1)/((m-1)!*m!)]
=c0*Σ(m=1~∞)[x^(m-1)/((m-1)!^2)]
y1"=c0*Σ(m=2~∞)[(m-1)*x^(m-2)/((m-1)!^2)]
=c0*Σ(m=2~∞)[x^(m-2)/((m-2)!*(m-1)!]
=c0*Σ(m=1~∞)[x^(m-1)/((m-1)!*m!] = y1/x
x*y1-y1=x*y1/x-y1=0
0になるので正しいと思います。
前出の「技術者のための高等数学-1 常微分方程式 原書第5版」の全問題
完全制覇を目指して 2年ぐらい前から独学で勉強しています。
4章に入って内容が難しくなって、私の力ではそろそろ限界かもと感じるように
なりました。
本には解き方はおろか、模範解答もありません。
周りに聞ける人もいません。数学が得意な方、どうかご教示をお願いします。