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自由貿易と農作物についてです
こんにちは。さきほど社会のノートの復習をしていたら、わからないところがあったのでお聞きいたします。ノートには自由貿易はとてもいい制度だが、農作物に関しては自分の国である程度賄わなくてはいけないとかいてあり、そのよこに平成の米騒動と書きました。 他国から農作物を買うと貿易上不利なことってあるのですか?
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今年度の食料高騰の波を受けて、農作物関連で危機に陥った国は結構あります。 中南米は元々食糧供給率が100パーセントに近かったのですが、自由貿易主義の煽りを受けて、安いアメリカ産を輸入する方針に転換した国が、かなりあります。 これはアメリカやIMFの働きかけがあり、そうすれば近代化等に必要な援助をするという誘い水があったのですが、結局農業が廃れ、後継者がいなくなりました。 農地や施設は破壊され、農業を続けるノウハウが断たれてしまった状態で、農業はほぼ壊滅。 輸入品が安いうちはそれでもやっていけましたが、今年のような急激な高騰で金持ち先進国と中近東の石油成金国家に食料が買われて、貧困国は食料が買えない状態になりました。 自由貿易主義というのは、売り手が最も良い値段で買ってくれるバイヤーに売るのですから当然と言えば当然です。 だったら、休耕地をまた農地に戻せばいいと思うでしょうが、農家だったら分かると思いますが、米に関わらず農作物を育てる為の農地に戻す為には、1年では出来ず数年かかりますから、その間農作物が高値で買えなければ自国民が飢饉に陥ります。 今年は高値になるから、作物を今から作るという事は出来ません。 その良い例が、#6さんの指摘するアフリカの例です。 昔ヨーロッパの国で、農業については完全な貿易自由化に反対するのは、農作物は戦略物資的な要因があり、安全保障上、これを全て他国に委ねるのに反対した為でした。 自由貿易が他国を助ける事は期待できません。 何故なら、需要と供給という市場原理で値段が決まる要因に、今度は投機マネーが流入し、プロでも価格が読めない市場になりました。 それに、今後人口がますます上昇し、食糧不足が予想される上に、売り手は必ず一番高値のバイヤーに売るからです。 農業大国のアメリカが、同盟国である日本に優先的に食料を売ることなどありませんし、自国の食料が不足すると、何処の国でも輸出を禁止するからです。 エネルギー対策で、日本は安く買った石油を備蓄し、不測の事態に備えていますが、それと同様に食料もある程度賄わないと、農業国が不作の場合、大変なコストを支払う事になります。
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- fitto
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>>農作物に関しては自分の国である程度賄わなくてはいけない 今、現実に世界で起きている現象 ・米の暴騰で米輸出国が高く海外に輸出すると自国の米価格が上昇するからといって、米の輸出を止めている国が続出しています。 米輸入国はそうでなくても米が高いのに、更に品薄になり米が暴騰して暴動騒ぎになったりしています。 ・アフリカの多くの国は、食糧難です。 海外の安い食料を輸入していたため、国内の農業が壊滅状態です。 海外の食料が高くなった今、食料の輸入が出来ないのです。 当然、各地で暴動が起きています。 では、すべて国内生産にしてしまえばいいのか 平成の米騒動がありました。 1993年日本の米は大凶作で、自国分だけでは食べていけなくなり緊急輸入しました。 日本に金があったので輸入できたわけですが、金がなかったら大変なことになっていました。 問題は、日本が大量に輸入したため、海外の米価格が暴騰して世界に非常に迷惑をかけました。 この批判を受けて、日本政府は段階的に米の輸入を解禁せざるを得ず、最終的に米の貿易自由化を受け入れることになりました。 今、自由貿易協定の改定が進まなく停滞しています。 食料輸出国は完全自由化を主張し、輸入国は自国の農業保護のために反対し、交渉が決裂したままです。 自国の農業保護は、第二のアフリカにならないためにも大事なことです。
- wiz0621
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農水関連の方に言わせれば、自分たちの産業を潰す食品輸入は なるべく避けたいでしょうね。つまり、国際的な競争力の無い 日本の農作物に関しては、その産業保護のために高い関税を かけるということをしています。 しかしながら、これにはほとんど利点がありません。 質問主さんのおっしゃる通り、自由貿易はとてもいい制度なのです。 これは、関税を撤廃するなどして国家が貿易を阻害しないことを 主眼においています。ですが、「関税をかけて産業を保護する」ことは この世界の人々との約束に完全に逆行しているのです。 この国による産業の保護のために、我々国民は安く良い外国製品を 買えないという事態も考えられます。 質問主さんがノートに書かれているように「平成の米騒動」という 事件が過去にありました。記録的冷夏により米が不作になり、一部 統計によれば米の自給率が100%→40%まで落ち込んでしまったのです。 このときに、世界から米を「売っていただいて」 我々日本人は難をのがれました。 一方、過去に存在したソビエト連邦という国においても大飢饉が2回ほど 起こったことがあります。ですが自由貿易制度ではなかったこの国では、 数百万人の餓死者を出しただけでした。 これらの例が何を意味するのか。 一つは、農作物である以上、いくら自給率を上げても 完全な意味での安定供給は不可能であること。 二つ目は、自由貿易制度ならば世界中が助け合うことが 可能であるということです。 安全保障上からも、常に食物売買の市場と関わりをもつことこそが 重要なのです。もし、自給率を上げることのみに拘泥してしまい 大きな関税をかけて物の流れを阻害していたとしたら 肝心な時に「売ってもらえない」可能性があるのです。 再び平成の米騒動の例を挙げますが、このときに日本国中で 「国産米の奪い合い」が発生しています。さらにこの米の値段は 通常の数倍にまで跳ね上がりました。 もし、食料が国内で自給できていたとしても、それが不足する状況に なった場合「国内産の農産物」の値段が下がることは無いのです。 国産を買えるのは一部のお金持ちだけ、ということも考えられるのです。 このときに海外産のものが買えなかったら?貧乏人は共産主義国と 同じく餓死するしか無いでしょうね。 一億人を超える我々の食を支えるには、国土が狭すぎます。 ですから、我々は我々にできることで世界に貢献し、苦手な分野を助けて いただくのです。こうして今の世界は成り立っているのです。
>>農作物に関しては自分の国である程度賄わなくてはいけないと・・ 教科書というのは全国民に一応認められる表現をしなければならないので、世界の常識的ないいかたをしているのです 現実はほぼ自由な輸入が行われていますがこれでよいと思います もし日本からのいろいろな輸出が大きく減ってくると自然に日本農業が復活してきます
- id357
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貿易上というより、心構えの意味ですよ。 今、日本は製造技術とか、いろいろなノウハウで国を支えています。 国土の面積とか、昔の政策もあって農作物をあまり作らなくなったんです。 それで、いまは食べ物のほとんどを輸入していますが、 例えば、現在日本に食物を輸出している国が、だんだん大きくなって 自分の国のため輸出を控えたら、日本には食べ物が入ってこなくなります。 最低でも、食をきちんと維持できるように。との意味だと思います。
お礼
心構えですか。そうなのかもしれませんね。 回答ありがとうございました。
- shintaro-2
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>他国から農作物を買うと貿易上不利なことってあるのですか? 農産物に限った話ではないのですが、相手が売ってくれないと困ります。 石油の場合は、ガスや石炭などの代替物もありますし、そもそも輸出する国が多いです。通常は直接売ってくれないだけで、迂回輸入も可能でしょう。 ところが、食料となると輸出できる国は石油よりは少なくなるはずです。そもそも輸出されなければ、迂回輸入はまず不可能でしょう。 でも現実には自給率を高めるといっても、トラクターなどの輸入資源に頼る農機具無しでは農業ができないので、机上の空論に近いものと思います。 孔子も自給自足は無理と言っていたと思います。食料輸出国が不作でも、最低限分けてもらえる外交関係を築いて欲しいものです。
- waosamu
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>他国から農作物を買うと貿易上不利なことってあるのですか? 貿易というか安全保障上不利です。 食料を海外に依存してしまうと、その海外が売ってくれなくなると 自国はすごーく困る。 実際、小麦はオーストラリアから輸入してますが、最近では天候不順やオーストラリアの中国向け輸出の強化で、日本向けは量的に不足気味です。それが日本国内の小麦価格の高騰を招いてます。 また、過去、アメリカからの小麦の値段が、アメリカの小麦の不作で高騰したことがありました。同様にアメリカ国内でも高騰しました。 それで、アメリカ国内でも、日本向け輸出をストップするよう政治的圧力もあったのです。 このように、他国に食料を依存しすぎてしまうと、自国がいざというとき非常に困ります。 現在中国からの輸入が多いですが、仮に日中関係が悪化し、中国が輸出をストップする自体に発展したら、日本での食料品やファミレスの価格は暴騰するでしょう。 そのような自体のとき、政治的に日本は不利です。ですから、こういうときのために、自国民を餓えさせない政策、つまり食料自給率の上昇が望まれます。
お礼
早速の回答ありがとうございます。政治的に不利とはそういうことでしたか。納得致しました。ありがとうございます。
お礼
なるほど、平成の米騒動と共産主義国、うーん深いですねぇ。 視野が広がりました。回答ありがとうございます。