圧縮形式、ビットレート及び圧縮方法、使用エンコーダなどで音質は変わります(勿論、サンプリングビット数、サンプリング周波数でも変わりますが、ここでは考えません)。
AACは高圧縮でも高音質を保つ事を主眼にした形式であり、100kbpsを切るような低ビットレートではAACが有利です。
圧縮方法とはVBR、CBRなどのこと。楽曲中には圧縮が難しい部分、易しい部分が混在していますが、CBRは楽曲全体を一律のビットレートで圧縮します。その結果、圧縮が難しい部分は劣化が激しく、易しい部分は無駄な容量を消費します。VBRは各部分の圧縮難易度に合わせてビットレートを変動させるので、品質が一律になります。CBR192kbpsとVBR160kbps前後のファイルで品質が逆転するのは良くあることです。
上述のように低ビットレートではAACが有利ですが、ある程度以上のビットレートになるとその優位性は薄れ、むしろ各エンコーダの設計やチューニングの巧拙の方が品質に大きく影響します。同じMP3でもLameエンコーダは評判が良く、iTunesで作ったものが評判が悪いのもこの違いによるものです。128kbps以上の場合、出来の悪いAACエンコーダよりも出来の良いMP3エンコーダの方が音質が良い可能性も充分あります。
良いエンコーダを使えば、192kbps程度ならば圧縮形式による音質の差は多くの場合感知できないと思います。但しiTunesの場合、AACエンコーダは評価が高いですが、MP3エンコーダの出来は良くありません。従ってiTunesで変換するならばAACを選ぶ方が良いでしょう。MP3を選ぶのは汎用性を重視する場合です。
尚、一度音質を落としてしまったデータは、後からビットレートを上げても音質が戻ることはありません(むしろ更に劣化します)。