こんにちは。
とくに価値というほどのものではない場合もあるし、かけがえのない価値を持つものになる場合もあると思います。
心理学の方でいうと、「思い出せない」というのは、ふたつあって、
1.本当に忘れてしまった場合.
2.思い出すと、自分にとって都合が悪いとか、甚だしい場合は脅威になるので、忘れたことにしている場合(「抑圧」といいます)。
No.4の方も書いておられますが、人間は、記憶を、自分に都合よく編集して、それを基礎にして、自分とはこういうものだ、という「自意識」を作ります。で、それにしたがって行動しています。
この編集作業が、記憶をきちんと取り入れてなされる場合、「自意識」は、安定したものになります。抑圧する記憶も少なくて済みます。
ふつう、抑圧された記憶は、表に出ようとするのですが、この場合、少ないので、たまに行動にでたり、夢に中にでたりするくらいで、実害はありません。
この場合、まあ、「特に価値はない」といえるでしょう。
でも、記憶をねじ曲げて、あるいは、大事な記憶を取り入れないで、編集作業をし、それで「自意識」を作ってしまった場合は、多くの記憶を抑圧することになります。それらは、先述したように、表に出ようとします。
これは、「自意識」にとって、脅威になります。それで、よけいに抑圧します。抑圧は、すればするほど、表に出ようとする力も強くなりますし、ゆがんだ形で出てこようとします。
やがて、「自意識」は、こうした記憶をコントロールすることができなくなり、記憶は、ゆがんだ形で噴き出します。
精神疾患は、こうして発病するといわれています。精神疾患の全部ではありませんが、こうしたことが原因の一つになっている疾患は多いといわれます。
この治療には、抑圧してしまった記憶を、もう一度きちんと思い出して、それをもとに、あたらしい、安定した「自意識」を作ることが必要になります。いろいろな方法で、思い出せなかった、「抑圧」した記憶を、思い出す努力をします。
この記憶は「自意識」にとっては、もともと都合の悪いものであるために、思い出す作業には、苦しみが伴います。思い出したくないことを思い出さなければならないのですから、当然ですね。でも、「思い出したくない」といっている「自意識」自体に問題があるのですから、ここを乗り越えないと、治りません。
そして、乗り越えた場合、「自意識」は、前より広く、大きくなり、安定して、人格的にも成長するといわれます。「精神疾患になったのは、成長のきっかけである」とまでいわれます。
この場合は、「思い出せない記憶」は、最初は悪役ですが、最終的には、とても価値のあるものとなることになります。
長くなってしまいました。まとめましょう。「思い出せない記憶」は、それを思い出し、きちんと自分の過去として受け入れることによって、非常に価値のあるものとなる、ということです。
ご参考までに。
お礼
実は意図的に封印する「忘れる記憶」を楽しみにして回答を待ってたりします。