非常に根本的なことなんですが・・、
おそらく私たちの国の統治制度である、議院内閣制民主主義を理解されていないと思われます。
かなり大まかにですが、私なりに説明させていただきます。
この国の主権者は質問者さんや私たちである、国民です。
その国民全員が「直接に国の運営に携わるのは難しいので」、選挙で私たちの代表者を立法府(国会)に送ります(ここ重要です。本来自分たちでやるべき事ですが、事情により任しているだけ、です=間接民主主義)。
そして国会の中で多数の勢力(政党もしくは複数の政党)が、その数の多い議席の単純多数決(過半数)により、自陣の代表者(通常は党首)を内閣総理大臣に指名し行政府の長として、各省庁をはじめ国の全ての行政機関を監督指示する日本国最高権限を与えるわけです(衆参の違いや他こまかい事は分かりやすくするため、今は省きます)。
「立法府(国会=国権最高機関)の衆参議院内」での国会議員によって「行政府の長(内閣総理大臣)を選ぶ」
だから 『議院内閣制・議会制民主主義』 と呼ぶのです。
そしてその総理大臣が、各省庁を個別に担当する各国務大臣を任命して、「内閣」という行政府(各省庁ほか)を監督指示する機関を組織(組閣)します。
で、各国務大臣の過半数は国会議員でなければならず通常は、自らを選んだ(連立)政党の国会議員から選びます。
その他にも、副大臣や政務次官をそれぞれ同様に選び、各大臣の下に各省庁に送り出されます。
このように議院内閣制・内閣総理大臣というのは、政府(内閣)与党(議会)両方を同一人物が率いるという、
三権「分立」であるはずの国の統治権力のうちの二つ、立法権と行政権の二大権力を行使できる強大な力を持っているわけです(実質的には、もう一つの司法権をも間接的にでも強大な影響を与えることも可能です。
わかりました?
「上記のこと全て」は《与党》に関すること(内閣を送出した政党=与党)、
で、
「これ以外の全ての国会における政党」が《野党》と呼称されるわけですが、野党政党に直接に行政に関与する権限は見当たりましたか?
もちろん、どちらも私たちが選び議会に送り出した国会議員には変わりはなく、私たち主権者の代表者でありますから、野党議員にも国政調査権など憲法に保障された権限のもと国家機関の内部をチェックすることは出来なくはありません(現実的には、これまでほとんど不可能でした。理由はここでは省きます)。
それでは野党政党の主な仕事はなにか?
無論、同じ立法府の人間(国会議員)ですから法律をつくることは重要な仕事のひとつです(=議員立法)、が現実には物理的に極々限定された権限です。
ではもっとも重要視すべき役割であり責務は何かというと、
「政府与党に対する議会内外におけるチェック(問題点指摘・批判等)と、次の政権を担うための常日頃からの準備」です。
時の政府(政策・行政結果)への批判と次の政権奪取への取り組みは、「民主主義が健全に機能するためにも絶対不可欠な要件」でもあるわけです(いうまでもなく、民主党だろうが、どこが政権党になろうが、この原則はまったく変わりません)。
ちなみに、この違いは、能力のあるないで分けられていあるわけではありません。
既述したように国民(主権者)による選挙によって、その結果にみで役割を分けているに過ぎません。
どんな正論や優れた政策言ったって選挙に勝って過半数を得なければ、何も実現できないわけです(要するに、与党に実績があるのは当たり前で、野党が批判するのも当たり前なわけです)。
政権政党が正当な選挙によりどこに入れ替わろうが、
各省庁の官僚をはじめとする数十万人の全役人、全国家行政機関は基本的に変わらないわけですし(現法制上)、
実際上、細かいデータ数字・計算は彼らに作らせればいいわけですから、
根本的な問題は、「その仕組みを作(らせ)る権限、彼らを監督指示する権限」を与えられた、時の政権与党の能力の違いです。
で、そこをどこにするか選ぶ権利は主権者たる私たち国民側にあるわけです。
(ちなみに隣の大国は一党独裁ですから国民にはそれはありません。が、ごく一部の自民党妄信者はなんだか屁理屈こしらえてはそのほうがいいと主張されています)
どこが絶対正しい誤りなんて有り得ないし、そんな政党この世界中どこにも存在しません。
国民がどっちがその役割・責務から照らし合わせ正当か見極め、「どこを国民は選ぶか」、それだけです。
そして、(国民に執行される)その強大な権力を常に監視しときに批判するのも報道・言論の自由の存在するメディアの最重要の役割・責務で、民主主義が正常に機能するためには絶対不可欠な要素です。
ちなみに私たちの国ではこのメディアの役割がほぼ全く機能していません(今は省きますが、世界中の民主国家で日本と韓国にしかない「記者クラブ」なる報道規制組織が存在することだけでも明白でしょう)。
そして最後には国民が視ることです。
常に、主権者として最低限の責務として、彼らにアピールすることです。
「われわれは、いつでもアンタらの首を挿げ替えれるんだよ」と。
なのに例えば、私たちの国の国民の一部は選挙をバカにしては、まるで不正な行事かのように権利を放棄する者さえ少なくない。
で文句は言う、でも今の現実社会は主権者たる自らの行動の結果であるにも拘らず、です。
何でか知らないが(苦笑)、
これまで政権にいた政党はずーーと、こんなシンプルで常識的な仕組みを、国民の大多数が(九九でも暗記するかのごとく)当たり前のように共通認識として定着させることに消極的で、はっきり言えば避けてきました(彼らの権力を使えば、屁の河童のはずですが)。
それどころか、「選挙には行かないで眠っててくれ」やら投票率の低迷を推進されてるようです(どっかの中途半端な軍事政権下の選挙かのように)。
これは、自民も民主も共産も、金持ちもそうじゃない層の方も誰もまるで関係ない、
民主国家である日本国民全員にとって不利益なことなのに、です。
国民が意識を高め、憲法で保障されたこの制度を活用し育てていくしか民主主義を成熟させる方法はありません。
なぜなら主権者が国民だからです。
少しでも参考になれば幸いです。
長々と失礼しました。
お礼
返事が遅くなってすみませんm(_)m なるほど!! とても勉強になりました。 おっしゃる通り、イージス艦の例などまさにそうですね・・。 う~ん、納得です。 ありがとうございました^^