効果というのは、「痴漢対策の効果」という意味でしょうか?だとすると、その効果は証明されていないと言うべきでしょう。本当に効果があるなら、鉄道会社や警察が積極的に情報公開するはずです。中央線快速では痴漢件数が増えた、とも報じられました。また、件数の数え方については、冤罪事件も含めるなど、正確さに欠ける点があるようです。
ここで、女性専用車両の問題点について解説します。
(1)法的根拠が無い。監督官庁の国土交通省からも、そのような回答を頂きました。
つまり、「男性乗車禁止」ではなく、男性も乗車できます。男性が乗れるのに「女性専用」とは、変な話ですが。ですから、「女性専用車両の趣旨に反対である」と敢えて乗車する男性がいても、強制排除できません。鉄道会社側が乗車拒否したら、逆に違法となります。
(2)他の車両にも女性が乗車している。他の車両の混雑が悪化するため、これらの女性たちは却って痴漢に襲われる危険性が高くなっています。結局、一部の女性しか恩恵を受けていない事にならず、これでは真の解決にはなりません。東海道新幹線の新型車両(N700系)のような防犯カメラの設置が必須でしょう。先日開業した地下鉄副都心線では、通勤時間帯のダイヤが連日のように混乱しているようですが、複雑な運行形態だけでなく、女性専用車両による他の車両の混雑悪化も一因である、と沿線の知人から聞いています。
(3)無関係な大多数の男性を一律に犯罪者と同列に扱い、男性に対する差別や偏見を助長している。
「人種のるつぼ」と呼ばれる米国では、人種差別を巡る様々な紛争があり、(人種問題のみならず)こういう人権問題には神経質になっています。事実上の「単一民族国家」だからなのか、日本人は差別問題に無頓着なのかもしれません。