「市場規模」とは購買予測人口×販売予定単価=需要見込額で捉えるのが一般的ではないでしょうか。「市場規模」の数字は、発表主体ごとに違います。これは、市場規模を捉えるための変数の設定に違いがあるためです。変数とは、例えば、人口動態、販売単価、数量予測、季節変動などです。
マーケットサイズを把握することは、過去を知って未来に対応するための戦略設定で必要になります。ですから、単純に過去を知ることだけではなく、環境変化・競争状態・技術革新などの要素を織り込んだ未来の予測を踏まえて市場規模を捉える必要があります。このため、商品やサービスのライフサイクルがどこにあるかで計算の仕方が異なるものと思います。
例として挙げると、
導入期にあるもの (新規導入が見込める用途別需要予測+代替される既存設備の数量)×価格
成長期にあるもの 前年の販売高×市場の成長率
成熟期にあるもの 過去の年平均販売高
衰退期にあるもの 前年の販売高×市場の縮小率
というのが考えられます(単純化してしまいましたが)。
「もの」が生産財なのか、消費財なのか、耐久財なのかなどの用途・性質によっても捉え方が異なります。
これを特定のサービスや商品に関する自社の需要で考えることと、単一企業だけではなく同業他社も含めた需要で考えることの両方が重要で、他社と自社の差分は競合他社のシェアを示しますから、自社の競争力(価格や品質あるいは流通)を強化することによって期待できる成長余力を意味します。