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卵巣の病気の症状と考えられる病気について
- 32歳の姉が、生理順調なものの右わき腹の痛みや経血の色の変化が2ヶ月に1度起こる症状がある。排卵した側の卵巣に問題がある可能性があり、考えられる病気は何か。
- 2年前に腹痛で受診した経験があり、関連があるのか気になっている。姉は出産経験はなく、「女医さんに診てもらえるところを探す」と言って受診をためらっているため、説得のためにも病気について知りたい。
- 受診が一番だが、考えられる病気を知りたい。姉の症状は周期的に起き、排卵した側の卵巣に問題がある可能性があるため、早めの受診が望ましい。
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右わき腹が痛くなる・経血の色が小豆色のような色などの症状があるそうです。考えられる病気にはどんなものがありますでしょうか? 説得のためにも考えられる病気を知っておきたいんです。 ご心配ですね。初めに、卵巣について少し。 卵巣(らんそう、ovary)とは、動物のメスの生殖器のひとつで、卵子(または卵(らん)ともいう)を作り出す器官。一般的な機能として、卵子のもとになる卵細胞を維持・成熟させ、その後放出する。オスで精子を作り出す精巣と合わせて、生殖巣と呼ばれる。また、脊椎動物の卵巣は、エストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)を分泌する器官でもあるので、内分泌器官でもある。 ヒトを含む哺乳類の卵巣の内部には、卵胞(らんほう、らんぽう)と呼ばれる構造が多数あり、それぞれ1つずつの卵細胞を包んでいる。卵胞が卵細胞を成熟させ、排卵(はいらん)と呼ばれる、卵巣からの放出を起こさせる。排卵は、動物の種類によって、年に1~2回程度の繁殖期に起こったり、一定の周期(性周期)でくりかえし起こる種などがある。排卵された卵細胞は、一旦は体腔内に出るが、卵管内に吸い込まれ、卵管から子宮へと流れていく。卵細胞を放出した後の卵胞は、その後、黄体(おうたい)へと変化する。卵巣からは、何種類かのホルモンが分泌される。卵胞からはエストロゲンが、黄体からはプロゲステロンおよびエストロゲンが分泌される。これらのホルモンは、メスの体に機能的な変化を起こさせ、排卵とその後の受精、着床、妊娠といった一連の現象を引き起こすために重要である。このホルモンによる作用は生殖器を中心とした変化だが、それ以外にも全身にわたる。 ヒトの場合、女性の性周期は平均28日程度であるが、子宮内膜の剥離に伴う出血(月経)を目安に考えるため、月経周期と呼ばれる。卵巣からの排卵もこの周期にあわせて起こる。月経の時期になると、卵巣内では次回の排卵のために新たな卵胞が発達をはじめ、月経から約2週間程度で卵胞は最大に発達し、卵巣からの排卵が起こる。 ウキペディアより抜粋 ですから、卵巣にもいろいろな病気があります。 卵巣は、アーモンドの粒~親指の先ぐらいの大きさの臓器で、右と左の両方に1個ずつあります。そして、なんと、実は卵巣は体のなかでもっとも腫瘍ができやすい臓器なのです。でも、考えてみれば、生命のもとになる卵子があって、毎月細胞分裂してるところですもん。ま、当然といえば当然ですよね。 そんなわけで卵巣にはさまざまな腫瘍ができますが、その中には大きく分けて、良性のことが多い「卵巣のう腫」と悪性の事が多い「充実性腫瘍」があります。卵巣の腫瘍のうち約9割が「卵巣のう腫」で残りの1割が充実性腫瘍なのですね。 充実性腫瘍の代表例がいわゆる「卵巣がん」です。イメージとしては固いしこりのような感じです。症状としては小さいうちは無症状で、こぶしより大きくなると、固いしこりが下腹部にできたり、腰痛、下腹部痛、生理不順、また、場合によっては、腹水といって、おなかに水がたまったりします。まあ、卵巣がんに関してはこのくらいにして、今回は良性の卵巣のう腫について見てみましょう。 卵巣嚢腫とは 「卵巣嚢腫とはどんなものか」を簡単に理解しようとするならば、「卵巣に液状成分が溜まって腫れている状態のこと」であると捉えておくと良いでしょう。 卵巣には実に多種多様の腫瘍が発生することが知られており、そのため過去に様々な分類法がなされてきましたが、その中で経験的に「嚢胞状を呈するものには悪性のものはほとんどない」ということが知られていました。これに加えて、ホルモンの影響などにより発生する非腫瘍性病変もすべて嚢胞状を呈するということもあって、「嚢胞状の腫瘤=悪性の心配はない」と解釈して良いだろうと考えられてきました。このことから、これら「嚢胞状を呈する腫瘤」、すなわち液状成分が溜まって腫れている状態というのはひとくくりにして考えて良いのではないかということになり、これらをまとめて「卵巣嚢腫 ovarian cystoma」と呼ぶようになったものと考えて良いでしょう。 ところで、非腫瘍性病変による場合というのは、ホルモンの影響などが原因で卵巣内に液状成分が貯留するものであり、たいていは球形・袋状になった外壁とその中に貯留した液状成分で構成されるものです。このような腫瘤は嚢胞 cyst と呼ばれます。 これに対して腫瘍性病変による場合では、外壁を構成する細胞には腫瘍性の増殖(=自律的増殖、つまり勝手にどんどん大きくなるという性質)が認められるという点、そしてその内容は外壁を構成する腫瘍細胞から分泌されて貯留する液状成分であるという点が異なり、このような腫瘤は嚢腫 cystic tumorと呼ばれます。 したがって、卵巣嚢腫というのは ovarian cystic tumor、すなわち腫瘍性病変である嚢腫(=ほぼ卵巣の良性腫瘍と考えて良いです)のことのみを指す言葉であって、非腫瘍性病変(=卵巣嚢胞 ovarian cyst)は含まないというのが本来の定義でした。しかし、現状では先述のような理由から非腫瘍性病変・良性腫瘍のいずれをも含めて指す言葉として用いられているのが一般的であると考えた方が良いようです。 単に言葉の定義上の問題ではあるのですが・・・ しかし、以上のような背景があるために、卵巣嚢腫という言葉は一般的には非腫瘍性病変を含む嚢胞性腫瘤全般を指して使われているのですが、時として本来の意味である腫瘍性病変に限った嚢胞性腫瘤のみを指す言葉としても使われることがあるので、どちらの意味で使われているのかということには注意が必要かもしれません。 またさらに、卵巣嚢腫のことを ovarian cyst と呼ぶこともあってしかもこれがけっこう一般的だったりもしますから、混乱ここに極まれりというところでしょうか。 卵巣嚢腫の種類 お話ししましたように、卵巣嚢腫とは卵巣にできる非腫瘍性病変と良性の腫瘍とをあわせた嚢胞性腫瘤全般を指して使われていることが多いので、ここではその両方についてをお話ししておきます。 ●非腫瘍性病変 最初に非腫瘍性病変に関してですが、これには以下のようなものが含まれます。 卵胞嚢胞 follicle cyst 卵胞内に分泌物が貯留したもので、 壁面は顆粒膜細胞で構成されるか、あるいは剥脱消失してしまっているかのどちらかである場合が多い。LH、FSHの不均衡により形成されるものと考えられており、自然に消失してしまう場合も多く見られるが、かなり大きくなった場合には手術摘出が必要となる。 黄体嚢胞 corpus luteum cyst 排卵に伴って出血が起こり、一時的に黄体内に血液が貯留するが、通常はこの貯留血液は黄体細胞によって吸収される。この貯留した血液量が多い場合には吸収しきれずに残存して黄体血腫となり、さらに内容が血性透明になって嚢胞化してしまい、黄体嚢胞と呼ばれるものとなる。 通常は次第に吸収され自然に消失するものであるが、時に外傷、性交、運動などが誘因となって排卵による出血が止血されない、または黄体血腫あるいは嚢胞が破裂する、という現象が起こり、腹腔内に大量に出血を来す場合がある。このようなケースでは急激に腹痛を起こし、時に吐き気や嘔吐を伴い、場合によってはショック状態に陥ることさえあるために子宮外妊娠と誤認される場合もある。したがって、救急車で運ばれることもしばしばである。 このようなケースは卵巣出血 ovarian bleeding とも呼ばれ、緊急手術を要することもまれではない。 ルテイン嚢胞 lutein cyst 妊娠初期あるいは絨毛性疾患において、絨毛から分泌される絨毛性ゴナドトロピン(HCG; Human Chorionic Gonadotropin )の卵巣に対する過剰刺激が原因で発生する。内容は黄色透明の液状成分であり、妊娠の場合は妊娠中期に至ることで、絨毛性疾患の場合は腫瘍を摘出等により治療することで、自然に治癒する。 チョコレート嚢胞 chocolate cyst 多嚢胞性卵巣 polycystic ovary (PCO) 下記のURLも参照下さい。 お大事に。
お礼
回答ありがとうございます。 専門家の方からのアドバイス、たいへん参考になりました。 姉には回答していただいたものをそのまま見せました。 受診する決心がついたようです。 ありがとうございました。