集成材、無垢材一般の話ではなく、土台に関しての観点ですが、
土台の役割は、柱から受ける力を出来るだけ均一に均して、
基礎に伝えるためのものです。
なので、重要になるのは、ヤング係数では無く、圧縮応力です。
集成材は強いと宣伝するところは多々ありますが、
それはヤング係数に関してが主です(一部、間違っていますが)。
土台のような置き方での圧縮応力は、集成材を使おうが、
無垢材を使おうが、素材の性質で決まります。
ただ、集成材の場合は、床下は湿度が上がりやすいので剥離の心配があります。
土台の使い方では、剥離しても強度への影響は少ないですが、
剥離を起こすと、腐りやすさは増すので、
そういう意味で無垢の方が望ましいです。
無垢とした場合の樹種ですが、桧は固いという概念があるかも知れないですが、
正確には軽い割には固いので、柱に向いている素材だと言うことです。
昔から土台には栗、ヒバなどのもっと重くて堅い木が使われていました。
また、土台に使う場合は、防腐性、防蟻性も大切になります。
防蟻剤を塗っても5年程度で揮発してしまうので、
ある程度は防蟻性のある樹種を選ぶことが良いと思います。
なので、米松などは桧よりも圧縮応力は高いですが、
防蟻性の観点から土台には向いていません。
また、防蟻性を考えて加圧注入材を使うこともありますが、
加圧注入しやすいと言うことは、柔らかい木だと言うことです。
土台によく使われる米栂は、桧よりも柔らかい(圧縮応力が低い)木なので、
本来、土台としては適切な木ではありません。
土台に向いている建材は、圧縮応力、防蟻性、防腐性を考えて、
国内のものでは、ヒバの芯持ち材が一番だと思います。青森ヒバが有名です。
栗も固くて良いのですが、狂いが大きいので、
上手な大工さんでないと狂いの面から問題を起こすこともあります。
外材でも良ければ、豪州サイプレスは、固さも防蟻性もヒバよりも上です。
ただ、同じ樹種でも、木の中心部分の赤身と、周辺部分の白太では、
固さも防蟻性も全く違います。赤身の多く入った建材を使って下さい。
理想論を言えば、これらの樹種を使うのが良いですが、
予算との兼ね合いもあるので、バランスを考えて選択して下さい。
ただ、青森ヒバや、豪州サイプレスを使っても、1本辺りの単価は1万から2万円で、
一軒の家では20~30本程度の話なので、コストの面からは見れば、
そこまで大きな影響が出るところでは無いと思います。
長く住む家を建てたい場合は、土台は一番の要の部分なので、
多少予算をかけても良いところだと思います。