株式は,細分化された割合的単位の形をとる株式会社の社員たる地位のことを言います。株式が追加募集して株主以外の者に割り当てる場合,既存株主に対して(1)議決権割合の減少による,会社に対する影響力の低下,(2)有利発行の場合,株式の経済低価値の低下,などの影響があります。
このため,新株発行(募集株式)の場合,特に有利な発行であれば,株主総会で有利発行の必要性について説明しなければなりません(199条3項)。また,公開会社でも非公開会社でも,募集事項について株主総会の特別決議が必要とされています(同条2項,309条2項5号)。
まず,この段階で,株主総会で意見が言えます。株主総会の招集の手続等に法令定款違反等があれば,株主総会決議の取消しの訴え(831条1項)をすることも可能です。
また,発行の差止請求ができます(210条)(こちらが本筋でしょう)。
公開会社において,特に有利な発行ではないと会社が考えて手続きを進めた場合も,発行前に株主に対する通知又は公告がされる(201条3項,4項)ので,その時点でやはり差止請求ができます。
既に株式が発行されてしまった場合には,手続きの状況や,払込等の存在の有無によって,新株発行無効の訴え(828条1項2号)や,新株発行等の不存在の確認の訴え(829条1号)によることになります。
また,その不公正な発行によって株価が下落したような場合には,無効の訴え等によらず,発行された株式を有効として,それにより自己の株式の価値の低下を損害として,取締役に対する損害賠償請求(429条)を行うことができます。
取締役の会社に対する損害賠償責任の追及(423条)も考えられますが,単なる有利発行の場合,会社の損害が観念しずらいので,困難な可能性が高いです。
お礼
詳しいご回答ありがとうございます。 参考にさせていただきますね。