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シベリウスとチューバ
フィンランドの作曲家シベリウスについてです。彼はある時期以降、オーケストラ作品の中でチューバを使わなくなりますが、これはなぜでしょうか?彼はそれまではチューバをよく使ってましたし、時代的にもチューバはオーケストラの中で標準編成の楽器だったはずですが。チューバ好きの自分には気になります。
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- Ta595
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回答No.1
こんにちは。 憶測ですけれども。 個人的には,彼の作風の変化に関係していると思っています。 例えば,チューバの役割として思い浮かぶのは,金管楽器が一斉に鳴り響くときの土台ですが,後期のシベリウスにはこのような部分がほとんどありません。 後期になるほど作品が大規模になる作曲家が多いなか,シベリウスは晩年になるほど逆に作風が凝縮されていき内省的になっていきます。例えば彼の最後の交響曲第7番は全部の楽章がくっついてひとつにつながってしまいました。 また,晩年には彼の内面から音が出てくることすらなくなり,最後の20年間以上,一切の作品を発表しなかった(できなかった?)というのも,謎めいた話としてクラシック音楽ファンの間では比較的有名かと思います。 ・・・と,話が少々脱線しましたが,楽器の使用方法に話を戻すと,後期のシベリウスは,絶対に必要な音だけを厳選して使う,というようなイメージを持っていたのかな,というような気がしています。 シベリウスがチューバに対してどのようなイメージを持っていたのかは分かりませんが,コントラバスではなくて,ティンパニでもなくて,チューバの音が絶対に必要だ,と感じる場面は,残念ながら後期のシベリウスにはなかったのかもしれません。
お礼
ありがとうございます。確かに作風の変化が根本的な理由だと思います。ただ後期のオーケストラ作品、例えば交響曲3-7番もトロンボーンは使われてるんですよね。これは同じように大きな音をだすということが基本的な役割と思われているトロンボーンとチューバですが、役割に違いがあるということかもしれませんね。そういえばブラームスもオーケストラ作品でトロンボーン三本を使う作品は多いですが、チューバが使われている作品は少ないです。 だんだん分かってきました。トロンボーン三本+チューバ一本で金管中低部四声を構成させる作曲家が多いですが、トロンボーンとチューバはやはり音色に違いがあるので、より統一的な音色をこのむ作曲家はチューバをはずしてトロンボーン三本のみにするか、トロンボーン四本にするということだと思います。特に金管中低部に弱音でコラールを吹かせるのが好きな作曲家は、音色の統一を求めてチューバをはずのかもしれません。中後期のシベリウスはこれなのかもしれません。