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18世紀の管弦楽
19世紀初期まで歌劇や交響曲などの管弦楽では通奏低音にハープシコードがよく出てきますが、なぜか交響曲では金管楽器が出てくる部分だけしかハープシコードを弾いていない事を発見しました。金管楽器と通奏低音の和音楽器、何か関係があるのでしょうか? 参考音源一覧 ピノック指揮「モーツァルト交響曲全集」、ハラース指揮の歌劇「ドン・ジョヴァンニ」、ウォード指揮「ハイドン交響曲」、オラトリオ「四季」等々。
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ハイドンやモーツァルトの初期交響曲に通奏低音が入るのは, それまでの形式の習慣的なものではないかと思います。 ピノックのモーツァルト初期にはピノック自身の演奏で入っているようですが, アーノンクールの演奏では入っていません。 通奏低音の重要度が低いと考えられます。 オーケストラ全体で見ると,弦が中心で管は付随的な扱いがされています。 弦楽四重奏を拡大して管で色をつけたような感じですね。 通奏低音も管と同じように和声で少し色をつける程度の扱いなら, 管が入るところだけに入ると考えられます。 弦だけのところにも入れる必要があるなら,そこには管も入ってくるはずです。 管楽器の発達で通奏低音の座が奪われたという見方もできるかと思います。 以下,余談です。 いつも難問で,私も勉強させていただいています。 ピノックのモーツァルト初期は私も欲しかったのですが, 既に中期を持っていて,初期だけのものが見当たらず, 全集を買うと重複するのでアーノンクールにしました。 ピノックの中期には通奏低音が入っていないと思うのですが, 見落としているかもしれないので,また,注意して聴いてみます。 ヴィオラ・ダ・ガンバが珍しいので最近買ったDVDですが良かったですよ。 古楽に興味をお持ちなのでご存知だと思いますが,クイケン兄弟の演奏です。 ◇音楽の捧げ物 http://www.hmv.co.jp/product/detail/2657137
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- Persil4184
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>>交響曲では金管楽器が出てくる部分だけしかハープシコードを弾いていない 「金管楽器の音程を正確にとる」というよりホルンのストップ奏法では音階を奏するには不完全(12倍音+長3度)で音量も音質も均一ではないので和音楽器で金管演奏部の和声充填をしたのでしょう。 レオンハルトはかつて古楽雑誌「アントレ」のインタヴューで「楽器の音程が安定していて内声が充実していれば通奏低音の和声充填は必要ない」といっていました。 管弦楽でもし旋律楽器にトラヴェルソではなくリコーダーだとしたらチェンバロによる内声充填が必要でしょうね。
補足
ご回答ありがとうございます。 >>管楽器の発達で通奏低音の座が奪われた 大変興味深い内容です。多くの事を考えさせられました。ご示唆を受け金管のバルブシステムが発明された1820年代あたりから管弦楽から完全に通奏低音が姿を消したことに気が付きました。以下は私の想像ですがひょっとすると「金管の音程を正確にとるため」にやむを得ずハープシコードで和声付けをしたというのはどうでしょうか?1730年代以降に行われた狩猟ホルンのストップ奏法やギルド会員以外の不完全なトランペット奏法の補助として... 大変難しい質問になってしまいましたが目下理論書や文献を当たり追求中です... >>アーノンクールの演奏では入っていません 意外でした。アーノンクール盤には通奏低音はないのですね。やはり指揮者によって演奏解釈がかなり異なるようですね。実はアーノンクール氏は名前は知っていたのですが殆ど演奏は聴いたことがありませんでした。名高き第一人者はどう演奏するのか?興味深いです。予算の都合がつき次第、アーノンクール盤もあたってみたいと思います。 モーツァルトのシンフォニー全集でしたらピノック盤よりもマッケラス盤の方が愉快な即興演奏がバンバン入っていて楽しいです。だた、なぜかアンマーチェンバロなのでキビしいです。これだけが本間に残念です。 ピノック盤の方がかけだしの演奏家としては安心して聴けます(笑) >>音楽の捧げ物 これも大御所クイケン兄弟の演奏ですね。ハープシコード奏者がどのように指揮をとるのか興味深いです。