こんばんわ。
◇住所とは
・住所は民法に定義があります。
○民法
(住所)
第22条 各人の生活の本拠をその者の住所とする。
・また,住民票を作成する根拠である「住民基本台帳法」では,
○住民基本台帳法
(転入届)
第22条 転入(新たに市町村の区域内に住所を定めることをいい,出生による場合を除く。以下この条において同じ。)をした者は,転入をした日から14日以内に,次に掲げる事項(いずれの市町村においても住民基本台帳に記録されたことがない者にあっては,第1号から第5号まで及び第7号に掲げる事項)を市町村長に届け出なければならない。
(以下略)
◇生活の本拠
・上記のとおり「民法」及び「住民基本台帳法」に基づき,「生活の本拠」に「住民票」を置かなければならないといえます。
・ですから,「生活の本拠」とは何かということを検討すればよいということになりますが,実際にはどこを「生活の本拠」と考えればよいのか,迷われるケースもあると思います。
◇例えば
(1) 罪を犯して刑務所に入っている人。これもその人によって違うんです。無期懲役の人は,刑務所が住所となります。死刑を宣告された人もです。
それ以外の人は,その受刑者がもともと1人世帯だった場合を除き,それまで一緒に暮らしていた家族がいるところを住所としてよいということになっています。1人世帯だった場合は刑務所が住所になります。
(2) 海外転出の場合は,1年以内にまた家族のもとへ帰ってくるということなら転出の手続きをしなくてもよいと考えられています。
(3)家族の元を離れて1人で施設などで暮らす場合なども,それが1年以内なのかというのがポイントの1つになります。
(4)別荘を持っている人が1ヶ月間,あるいは2ヶ月間そこで生活するとしても住所変更の手続きは必要ありません。これが,2年,3年とずっとそこで暮らすとなると,通常はそこが生活の拠点と考えられるので,その別荘が住所となります。
(5)何日間,あるいは何ヶ月と旅行する場合も,住所変更の手続きは必要ありません。
(6)就職や就学で1人暮らしをすることになったら,住所はその1人暮らしをしているところです。
(7)出稼ぎの方は,出稼ぎ先ではなく自宅が住所です。出稼ぎとは,いずれ自宅に戻ることが前提になっているからです
・ちょっと極端な例も挙げましたが,質問者さんの場合,出稼ぎとはいえませんから(6)ということでよいと思われます。
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以上から,
>4月に入社して研修で五ヶ月ごとぐらいで研修場所が変わり引越しをしていました。そのため住民票を実家から移動させていませんでした。
・本来ですと,引越し先が「生活の本拠」と思われますから,引っ越されるつど,その場所に住民票を移す必要がありましたね。
>今度配属が決まり住民票を,引越し先に移動させようと思っています。
この場合住民票を移動させる場合,実家→現住所→引越し先と移動させるべきか,実家→引越し先と移動させるべきなのでしょうか?
・住民票を移動せずにお住まいになられ,もうすでに転出されたところは,今からさかのぼって手続きをする必要性は低いですので,今となっては,せめて「実家→現住所→引越し先と移動」されるのが,法律的には良いかと思います。
「法律的には良い」といいますのは,「法律が求めていること」という意味です。