- ベストアンサー
狭心症で冠動脈バイパスと僧帽弁置換手術をし脳梗塞
先日、74歳の父が狭心症および糖尿病のため、冠動脈バイパスと僧帽弁置換手術を 行いましたが、手術後、12H以上覚醒せず、20Hほど経ってから、担当医から、 脳梗塞の可能性があるとの説明を受けました。 それまで、単に麻酔が覚めるのが遅いとしか認識していなかったのですが、 いきなり「脳梗塞かもしれない、直る可能性もある。」と伝えられたわけです。 翌日、CTスキャンをして結果、やはり脳梗塞のようだという説明を受けました。 これが手術後2回目の説明です。 手術中に心臓付近の組織が脳に流れていって詰まったようだとのことでしたが、 病院の常識に疎い当方としては、対応に驚いています。 これって普通の対応なのでしょうか? また、医療ミス(事故)とかいう言葉が頭に浮かびますが、どうなのでしょう?
- みんなの回答 (4)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
dai01さんのお父様の手術の結果が思わしく無い由、御心痛の程お察しいたします。しかし、最初に結論を述べさせていただけば先の回答者の方々のおっしゃる通り御質問の文章を拝読した限り医療ミス(事故)を思わせる記述は全く無いと思います。 術前の説明でもしつこい程話されていると思いますが御質問の手術の場合例え誰がやったとしても一定の確率で脳硬塞が起こる事は避けられません。 その理由としていくつか挙げると (1)人工心肺は拍動流でなく定常流である 僧帽弁の手術には人工心肺を使わずにはできませんがこの血流はローラーポンプで一定の血圧で流す定常流です。実際の血圧と同じ最高血圧や最低血圧のある拍動流と同じ量の血液を流すと血圧は普段の最高血圧よりずっと低くなります。狭心症の有るような全身の動脈硬化の進んだ方は当然脳血管にも狭窄があったりしますから圧が下がると狭窄より向こうに血液が行かなくなって脳硬塞を起こす危険が有る訳です。 (2)人工心肺で粥腫を飛ばす可能性 人工心肺では動脈に酸素化された血液を送血する必要がありますが多くの場合上行大動脈にカニュラを挿入してそこから送血します。この場合足の動脈などから逆行性に血液が流れるよりも動脈硬化した血管から粥腫と呼ばれる油かすが頭に飛ぶ可能性は低くなりますが上行大動脈自体に動脈硬化が強い場合は防ぐ事ができません。実際に手で触ってよさそうな場所に挿入しますが小さな物が頭に飛ぶ可能性は常に有ります。 (3)大動脈の遮断 心臓に血液があっては僧帽弁の手術はできませんので血液がこないように大動脈と心臓の間を遮断する必要があります。これは大動脈遮断鉗子と呼ばれる道具で大動脈を挟み潰して行われます。しかしこの際血管に粥腫などが有れば押しつぶされた所から頭に飛んでいく可能性が有ります。従って遮断する場所も入念にチェックしますが小さな物は防ぎようがありません。 (4)左心房の拡大 僧帽弁の疾患は逆流が有ればその手前の部屋である左心房に血液が逆流の分だけ多く流れ込みますし狭窄があればなかなか流れていかなくてやはり左心房に血液が鬱滞して左心房が大きくなっていることが多いです。当然血液が淀んだ場所では血栓ができやすいので左心房(特に左心耳)に血栓ができやすくなっています。手術の際は左心耳をひっくり返して血栓を除去したり血栓ができにくくするように左心耳を縛って血流がこないようにしたりしますが完全に小さな血栓ができる事を防ぐ事はできません。 (5)人工弁の存在 弁置換術の場合人工弁にせよ生体弁にせよ程度の差こそあれ異物を挿入するので弁による血栓の形成は当然有ります。従って抗凝固療法を行いますが術後当日はむしろ心臓を切ったり縫ったりしているので大出血の方が心配です。ワーファリンなどの薬は翌日の朝などから開始される事が多いです。それでも当日は人工心肺を使用した影響でむしろ凝固系が消費されてしまっていたりして血栓が問題になる事は少ないのですが絶対に無いとは言えません。確率的に出血の方が危険なので当日は思いきった抗凝固療法ができないだけです。 以上の事から人工心肺を用いた心臓手術の後は100人やれば数人は脳合併症が起こる可能性があります。そんな事はやる方も良く分かっていますから脳硬塞などの術後当然考えうる合併症についてはしつこいくらいに説明しているはずです。従って術後の合併症として矛盾点は全く有りません。 次に経過についてですが心臓手術の後は循環が不安定で微量の変化でも命に関わる薬がたくさんの点滴のラインから注入されています。普通は安定するまで眠り薬で眠らせたり人工心肺を使った場合は頭も心配なので覚醒を一度確認するまで眠り薬は使わなかったりしますがその後は眠り薬で次の日の朝くらいまで安定するまで眠らせておくくらいです。麻酔剤からの覚醒は個人差が強く翌日の朝まで覚醒しない事も少なからずあります。しかし、翌日の昼過ぎまで覚醒しなければさすがに頭に何かあったかな?と思うでしょう。時間にすれば翌日の朝が12時間、昼過ぎで20時間と言う感じだと思います。主治医の説明はこの時点ではあくまで可能性なので御質問の文章のような感じになると思います。更にまた次の日にCTとって始めて脳硬塞と確定診断されたのでしょう。説明も経過も全くおかしく有りません。 では、何故もっと早くCTをとらないのか?といわれそうですが術後様々なラインやドレーンをつけたままCT撮りに患者さんを移動させること自体がリスクであると言う事が一つ、また脳硬塞であるなら発症後6時間を超えて再開通させるとむしろ梗塞後出血のため死亡してしまう恐れが高い事(覚醒遅延がはっきりした時点ではすでに治療のゴールデンタイムを過ぎています)、心臓手術後の脳硬塞の場合新しい血栓が詰まるより古い左心房の血栓や動脈硬化による粥腫など血栓溶解療法が効かない脳硬塞である可能性が高い事などから急いでCTを撮っても治療につながらない事が多く診断的意味合いしか無いのでリスクを押して急いで撮る必要がないという点も申し上げておく必要があると思います。もちろん脳出血やかなり大きな脳硬塞で脳圧が高くなっているような場合は急いでCTを撮って脳圧を下げる治療が必要ですがその点は瞳孔の様子や身体所見、循環などから判断しているはずです。従って行われている医療行為自体にも全く矛盾点はないと思われます。 稀に人工心肺の回路から空気などが混入して空気塞栓という脳硬塞が起きる事が有りますがこの場合のみ医療事故と言えます。しかし、この場合術者自体が空気が入ったと分かりますから術直後に説明されますしもし起これば広範な脳硬塞ですから術直後からCTをとったり脳外科から減圧開頭の話をされたり頭だけ冷やす箱のような物に入っていたり高気圧酸素の話をされたりするはずですから御質問の文章と全く経過が違ってますので先ず考える必要は無いと思います。 最後に・・・。脳硬塞と一言で言っても殆ど症状の無い人からリハビリで回復する人、麻痺が残る人や果ては死亡する方まで様々です。また、僧帽弁置換術プラス冠動脈バイパス術はそれだけでもリスクのある手術です。脳硬塞の治療もそうですが心臓の術後管理なども含めてもっと主治医の先生を信じて根気強く治療なされていく事をお勧めします。疑問が有ればもっと主治医に聞いて下さい。こんな所で聞ける話よりよっぽど詳しい説明を図などを交えてしてもらえるはずです。 疑問点解消の一助になれば幸いです。 お父様の御健勝をお祈りしております。 それでは。
その他の回答 (3)
- inoge
- ベストアンサー率45% (510/1116)
>これって普通の対応なのでしょうか? また、医療ミス(事故)とかいう言葉が頭に浮かびますが、どうなのでしょう? 医学書では合併症といういいかたをします。糖尿病で狭心症がある人の開心術においては 脳梗塞を100%予防することのできる心臓外科医はいないとおもいます。 病院は経過について説明し,治療しているわけで,謝罪すべき状況とは思えません。 手術手技の問題の有る無しについてはご質問の情報量からではなんともいえません。bonnnouさんのおっしゃるとうり 手術前の説明における質問者の理解が不足していた感はあります。十分に納得してから同意書を作るべきです。 まことに残念な結果となられましたが,一般論としては 開心術は脳梗塞などをふくめた危険性がある,しかし 手術しない場合の危険性の方が十分に大きいと予想される状態である,という場合に医師は手術を勧めると思います。 たしかに治療によって状態が悪化することは病気そのものよりもつらい。 それを重視されるのなら最初から手術しない,という選択枝もあったわけです。 インターネットを使えばかなりの情報が容易にえられるわけですから。
- keku
- ベストアンサー率32% (10/31)
dai01さんは大変な思いをなさったでしょうね 心中察するにあまりあります でも下で回答なさったbonnnouさんのおっしゃることでだいたい良いと思います 手術中にはさまざまな合併症が生じる危険がありますが そのことを納得された上で同意書に署名してからでないと 基本的には手術は行わないと思います 恐らく署名欄には手術を受けた方とご家族一人が署名するようになっていると思いますよ 一般的に心臓に対する手術を行っているときに 恐らく心臓内にあると思われる血栓が脳に飛んで詰まってしまうことは 一定の頻度で起こることだと思います 担当医の方の説明もちょっと舌足らずだったかもしれませんが 医療ミスとはdai01さんの文面からはあまり考えられない気がします よく担当医の方と話し合うのが一番だと思いますよ お父様が一日も早く元気になることを祈っております
- bonnnou
- ベストアンサー率36% (146/395)
担当医から十分説明を受けませんでしたか? 私は、心臓カテーテル検査、冠状動脈バイパス手術の前に、そのような可能性もある事を聞いて、自分で、手術・検査の同意書に署名しました。手術に際しては、妻と、私の両親も同席し、その上で、手術の同意書に署名していました。 たとえば、心臓バイパス手術の場合、冠状動脈を狭さくしているものが、手術の結果、血管組織から、離れて、体内を回るおそれは十分にあるようです。 それをおそれて、バイパス手術をしないことは、現状において、死亡する可能性があり、脳梗塞の問題は、生きていればこそ、の問題だと思われます。
お礼
ご回答を寄せていただいた皆様にお礼を申し上げます。 2003.4.28現在、まだ、寝たきりで鼻からチューブで食事をしている状況です。意思疎通がほとんどできないので、今回の事態を父がどう考えているのか、半年以上過ぎた今でも分かりません。途中、車椅子に座れて、ある程度会話もできていたのですが、転院などもあり、状況が悪くなってしまいたいへん残念です。