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ベースのブリッジ
オーソドックスなものからギター会社独自のものもあるブリッジなのですが、これはサステインに対する会社の考え方からなのでしょうか? また、オーソドックスなブリッジはどのような特徴があるのでしょうか?
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ええと・・・オーソドックスと言うのはFenderスタイルのブリッジと解釈してよろしいのでしょうか? そうだと言う仮定で書かせて頂きますが、先ずFenderのブリッジは基本的に鉄等のプレス加工で作られています。 これはデザインされた年代が1951年~1957年なので、当時考えられる丈夫で大量生産が出来、コストの掛からない製法でデザインされたものであろうと思われます。(因みに世界で始めてエレクトリック・ベースを作ったのはFender社です) その後Fenderのベースが普及し始めると、(主にアメリカで)色々なメーカーがエレベ(エレクトリック・ベース)を作り始めます。 当然ながら段々音に関する拘りも深くなって行きます。 ただこの当時はメーカーそれぞれが独自でパーツを開発しており、またどの楽器もまだ新しかった為、リプレイスメントパーツと言う概念はありませんでした。 その後Fenderのベースがある程度古くなり、痛んだパーツを取り替える必要も出て来た為サードパーティのリプレイスメントパーツの会社が発展して行く事になります。これは皮肉にも、Fenderが「修理し易い」構造をしていた為、パーツ交換だけでも楽器が生き返ってしまう事とも深い関わりがありました。 他のメーカー用のパーツは、ピックアップを除けば決して充実していたとは言えないでしょう。 また、当時はベース=Fenderと言える位Fenderのベースが人気があったのも要因の1つと言えると思います。 そのリプレスメントパーツを提供するメーカーの中に「バダス社」と言うメーカーがありました。 このバダスは、Fenderのブリッジとほぼ似たようなブリッジを提供していた他社とは違い、Fender用でありながらも亜鉛ダイキャストによって作られた非常に質量の高い、分厚く重いブリッジを提供しました。 これが最近多い「質量が高く、非常に重いブリッジ」の原型となったようです。 このブリッジは「取り替えるだけで音が重く、サスティーンも長くなる」と物凄い人気になりました。 当然様々なコピー商品が出回り、その手のブリッジを搭載するのを前提としたベースも多数デザインされて行きました。 しかし同時にちょっとした弊害も起こる事となります。 当時ベースの開発はかなりのペースで進んでいて、当然ピックアップ関係の発展も目覚しいものがありました。 アレンビックやミュージックマン等、プリアンプを内蔵したいわゆる「アクティヴベース」と呼ばれる物が登場したのもこの頃です。 このピックアップシステムも、当時としては「革命」と言える位の物でした。 最初は当然その両方を搭載したベースはとんでもなく高かったのですが、10数年も経つと流石に値段も手頃になって来ました。 何でもそうなのですが、便利な物と言うのは恐ろしいものです。「バダスタイプのブリッジ」と「アクティヴPUシステム」の両方を搭載していれば、ある程度他の部分を削っても良い音になる事は ある意味それまでの製品が証明していました。 それでこの2点を押さえたコストパフォーマンスモデルが多数生産されるようになったのです。 回答が遅れましたが、現在でもパーツの専門メーカーはFenderスタイルとバダススタイルの両方のブリッジを生産している筈です。 質量の高いブリッジの搭載は、サステインに対する考え方と言うよりは、ベースの構造上、必要不可欠なものの場合の方が多いと思います。 Fenderスタイルのプレスブリッジの音的な特徴は、素材が硬い為にシャープな鳴りが得られます。但し、サスティンは質量の高い亜鉛ダイキャスト製の物には及びません。 長々と失礼致しました。
お礼
なるほど、実に勉強になりました。ありがとうございます。