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突発性上腸間膜動脈瘤乖離について
親戚(福島県在住)の55歳の男性が、病院で血管の壁が剥がれ落ちる病気で、「突発性上腸間膜動脈瘤乖離」と診断されました。 症状が見つかった部位は肝臓の後方だそうです。 診断された病院では詳しい専門の先生がいらしゃらないということで、具体的な治療法も不明で不安です。 どなたか、この病気のこと、またはご専門の医師、病院ご存知でしたら、教えていただけませんでしょうか? よろしくお願い致します。
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SMA=上腸間膜動脈は、腸管に血液を供給する主要な血管で、 乖離→破裂という症例はまれだと存じますが、その血管が 閉塞して腸管壊死(又はその手前)→緊急手術という症例 なら、僕の勤務する病院(中規模?)でも、年に0~2例 くらいはありますね。 乖離したからといって、すぐに閉塞に至るものでもないですが、 乖離の程度によっては、外科的治療も考慮されるでしょうね。 ただし、今すぐ手術を」と希望されても、手術自体が100% 安全なもので無い以上、経過観察と手術とのリスクバランスが 考慮されるべきでしょうし、予定手術なら血管外科が専門ですが、 そちらに紹介するかどうかも含めて、今の主治医に判断を委ね ざるをえないでしょうね。 ご心配はもっともですが、医療訴訟が何ら珍しくも無いこんな 時代に、専門外の、しかもリスクの高い患者さんを、喜んで 診ようという医者はいないのですし、明らかに手術の適応が あり、かつその手術が「ウチでは困難」と判断されれば、転院に なるでしょうね。 そう(転院に)ならないのなら、その病院でフォローできる 程度のリスクなのだと言う事だと思いますよ。 腹痛(推測するに)で来られた患者さんの病態を的確に見抜いた 病院なのですし、信頼して任せてはいかが?というのが僕個人の 見解です。
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- futukayoi
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通りすがりの者です。 すでに専門科の方より回答がついておられますしOOhimemamaさんも納得為さっておられるので通り過ぎようかと思ったのですが一般人の自身無しですが一言だけ・・・。 解離性大動脈瘤につれて起こる訳で無く、上腸間膜動脈だけに起こる特発性の上腸間膜動脈解離はかなり稀な疾患の様です。文献的には CardioVascular and Interventional Radiology (2001) 24:329-331という雑誌の中の症例報告でも現在まで28例の報告があって自然経過がどうなるかははっきりしないと書かれています。 この2例報告では腸管虚血の症状が自然に良くなったのでワーファリンなどで抗凝固療法を行ってスパイラルCTで経過を見ていったところ1例は偽腔の血栓化が進んで真腔を圧迫してきて狭窄が進行して食後腹痛が頻回に起こるなどの腸管虚血の症状が現れてきたため血行再建手術を行い、1例は同様のフォローで偽腔が小さくなって虚血の症状もないため現在もワーファリンで17ヶ月のフォロー中であると書いてありました。 急激に上腸管膜動脈が閉塞すれば24時間程で腸管が完全に壊死するので緊急手術を行っても救命できない事も多いですがもともとこの動脈は下腸間膜動脈や腹腔動脈とループを作っているのでゆっくりと狭窄が進行した場合はどの程度側副血行路が発達するか人によって違ってきますから手術が必要かどうかは虚血の症状が出るかどうかと動脈の径が拡大して動脈瘤化するかどうかという点が問題になると思います。 従って長期間に渡ったスパイラルCTもしくはDSA(血管造影の一種)によるフォローが必要になってくると思います。 治療については急性期ならカテーテルでステントを入れたという報告もありますがこれから長期のフォロー中に虚血が進行してきた場合は足の静脈(大伏在静脈)などを使ったバイパス術による血行再建などが行われると思います。ただし解離が余りに末梢の場合手術が難しい事も有ります。 また、まれに経過中解離した部分が破裂することも有るでしょうがその場合は抗凝固療法を行っている場合まず出血が止まりませんから緊急手術にでしょう。では抗凝固療法はいかがなものか?といわれそうですが当座は解離があれば急性閉塞もありうる訳ですから頻度からいってまた、閉塞した場合の救命率の低さから言って特に出血や径の拡大が無いのであれば抗凝固療法を行いながらフォローしたという報告がされているのでしょう(100%確実な治療法と言う物は医療には無いと言う事です)。 疑問点解消の一助になれば幸いです。 親戚の方の御健勝をお祈りしております。 それでは。
お礼
専門的な回答を戴きありがとうございました。 こんなに詳しい情報を得られて、とても嬉しいです。 今後の受診の参考にさせて頂きます。 本当にありがとうございました。
お礼
早速丁寧な回答をくださりありがとうございました。 質問時の説明不足で申し訳ありません。再確認したところ、実際は最初の病院ではなんの診断結果も得られないまま退院となり、再度別の病院で受診した結果が「上腸間膜動脈瘤乖離」で、前の病院は何故こういう状況で退院させたのか?というお話だったそうです。こちらの医師の説明は、今回いただいたjean8941さんの回答と同じようなお話だったそうです。 今回、同様のご見解を戴けたことで、患者本人、及び家族共々安心して、現病院での継続的診療をお願いできるということでした。 深く感謝いたします。本当にありがとうございました。