そもそも建築とは?みたいな事から容易に発想できますよ。雨をしのぐ→屋根をつける、侵入を防ぐ→壁をつける、みたいな。
ゼロから発想する必要はありません。まず、実際にそのような機能を持つ建築物があるかどうか、調べます。もちろんあります。食品、医薬品の工場、移植などの手術室、半導体の工場などです。
清浄度を確保する原理は「入れ子」です。二重、三重、四重…に造ります。外界と清浄区域を隔てる壁が2枚、3枚…と必要になりますね。
人間の視線から見ると、奥にたどり着くまで扉が何枚あるかと言い換えることができます。
建築での応用例として、扉の前に風除室、前室などを設けるとか、室内側でパティションやカーテンで仕切るとか、いろいろ考えられます。
虫だけでなく、塵埃、騒音なども似たような理屈でコントロール可能だと思います。
で、実際に食品工場の外と中で虫を毎月捕獲して、データをとってみると、壁(扉)一枚あたり数分の一から数十分の一になります。民家だと想像ですが数分の一ですかね。
但し、色々な経路で虫は侵入(持ち込み)しますし、内部で増殖することもありますので、設備だけでなく運用面でも、清浄度に応じた精度で、いわゆる「5S」が必要になります。つまり、設備を作って後はダラシナイと、ぶち壊しです。
実際の民家で応用すると、台所に直に外から入れる「勝手口」は改善の余地あり。例えば、前室を設けて手洗器やダンボール解箱所など除染設備を設けるとか、外と前室は足洗い、前室と台所は段差を設けて履物は室内用に履き替える、買い物はダンボール箱を台所に入れず境界で室内容器に移しかえる、といった運用を工夫すると良いですね。
勝手口を設けず、洗濯室、浴室のような衛生設備を玄関脇に設けてこれらの用途を兼ねる設計にするのも良いでしょう。
食品は床下収納は避ける。先入れ先出しできるように、棚を壁に付けない。(または棚板の上下間隔を広くして、奥へ新品を入れられるようにする)
水際というか、早期発見について。
しっかり5Sしていれば、目視で兆候は判りますよ。また、害虫のプロはゴキブリホイホイのようなトラップ(罠)を要所に仕掛けておき、捕獲された虫を定期的にカウントします。捕獲指数(1日1トラップあたりの捕獲数)をモニタリングして、管理するわけです。
そういうわけで、シゴトのレベルでは、コンビニ指定の食品工場で何千店に出荷しているとか、ロットが大きい食品の品質管理では、こういう事が必須になっています。
お礼
やはりそんな家あるわけないですよね。地道な撲滅活動のみですか。参考になりました。ありがとうございました