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西荻窪か吉祥寺辺りを舞台にした紀行文・小説を探しています。
近世から近代(江戸時代~敗戦)に記された紀行文・小説から、 そこに記されたルートを地形図で復原し、 現在とは異なる当時の景観を見つけ出すという課題が出ています。 そこで、西荻窪か吉祥寺辺りを舞台としている書籍を探しているのですが、 どなたかご存知ないでしょうか? 宜しくお願い致します。
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「西荻窪か吉祥寺辺り」というのは、割り当てか何かで、もう決定済みなのでしょうか? それとも、地元で楽だから……もちろん、理由などお答えになる必要はありません。でも、もし変更可能なら、同じ中央線沿線で少し西か東にずらしてみるのはいかがでしょうか。 まあ、物知りな他の人が、ずばり「西荻窪か吉祥寺」かつ「江戸時代~敗戦」の紀行文・小説を教えてくれるだろうと思います。私は物を知らないので、ひとまず、勝手にずらして回答してみます。 (1) 国木田独歩『武蔵野』 ご存知と思いますが、地形とか景観と言ったら、文学作品では定番の一つがこれですね。 Sakurabasi Net http://www.linkclub.or.jp/~yosiaki/ 独歩の碑(安島喜一氏による) http://www.asahi-net.or.jp/~HM9K-AJM/musasinobunngakusannpo/kunikidadoppo/dopponohi.htm (2) 大岡昇平『武蔵野夫人』 これは戦後の作品ですが、物語は戦前から始まっています。 武蔵野夫人(安島喜一氏による解説) http://www.asahi-net.or.jp/~hm9k-ajm/musasino/musasinofujinn/musasinofujinn1.htm 作中で、いとこ同士の勉と道子は(デートというほどでもないが)武蔵野を歩きます。道子は少し古風なところのある人妻です。勉は軍隊帰りで学窓に復帰したアプレゲールです。 作者の大岡は、地理に対する関心をこの作品に織り込んでいます。それには、大岡の軍隊経験も下敷きになっているようです。『野火』には次のような一節があります。 大岡昇平『野火』 歩兵は自然を必要の一点から見なければならない職業である。土地の些細な凸凹も、彼にとって弾丸から身を守る避難所を意味し、美しい緑の原野も、彼にはただ素速く越えねばならぬ危険な距離と映る。作戦の必要により、あなたこなた引き廻される、彼の眼に現われる自然の雑多な様相は、彼にとって、元来無意味なものである。この無意味さが彼の存在の支えであり、勇気の源泉である。 もし臆病或いは反省によって、この無意味な統一が破れる時、その隙間から露呈するのは、生きる人間にとってさらに無意味なもの、つまり死の予感であろう。(引用終り) しかし、命を拾って復員した勉は、少しばかりの遺産を相続して学生に戻り、昼ひなかから呑気に道子と連れ立って歩きます。そして、その道行きの終点で、道子は「恋ヶ窪」という地名を耳にし、自分で自分に隠していた感情を知ることに……。そのくだりは、上記のサイトにも引用されています。 (3) 井伏鱒二『荻窪風土記』 井伏鱒二と阿佐ヶ谷文士(荒井泰樹氏による) http://homepage1.nifty.com/yasuki-a/ 『荻窪風土記』は戦後遅くの出版ですが、井伏は戦前から荻窪に住んでいました。
お礼
お礼を申し上げるのが遅れてしまい申し訳ありません!! そうですね、やはりどうせなら自分の地元のことをもっと知りたい、というのが理由ですね。 でも西荻窪・吉祥寺辺りのものがないのであれば、 中央線沿いでずらしてもいいと考えていたので全然OKです! 挙げて頂いた3作はどれも興味深そうな内容ですね!! 武蔵野には行ったことがないのでよく分からないのですが、 荻窪は一応地元付近ですので井伏鱒二の作品が気になります! でもまずは書店に行って実際に手にとって、それから決めようと思います! 本当にありがとうございました!!