曹洞宗の僧侶です。
「到岸」という言葉の「岸」は、おそらく「此岸、彼岸」の「岸」だと思います。「此岸」は「現在世(この世)」、「彼岸」は「仏国土(あの世)」といった意味です。
「到岸」とは「彼岸に到る(行き着く)」ということでしょうが、単純に「あの世に行った」ということではなく、「仏国土にたどり着いた=”成仏”した」「仏になる修行を完成した」といった、もう少し肯定的な意味合いが強いと思います。
江戸時代まではお寺が役所の代わりをしていましたから、どこの誰が亡くなったという記録はお寺の過去帖を調べればわかります。
しかし、お寺さんがよほどまめだったか、特別な死因で無い限り、過去帖に死因まで記載される事はまれだと言っても良いと思います。ご先祖さまの戒名、俗名、死亡年月日までは、なんとかなると思いますが、死因まではおそらく分かりません。
また、最近ではどの宗派でも個人情報の保護等の観点から、たとえ直系の子孫の方からの請求であっても、過去帖の閲覧や内容の問い合わせに応じていないところがほとんどですので、お寺で死因を調べるのはまず無理です。
「先祖」といっても、つい最近の方であれば、所管の法務局に故人の死亡届が保管されています。請求者の故人との続き柄、利用目的などが明確であれば、「死亡届の記載事項証明書」を交付してもらう事が可能な場合もあります。これも「親族で」「保険金等の支払いを受けるための必要書類として」などの非常に限定された目的でないと交付されないようなので、実際には難しいかもしれません。