プロではありませんが、漢方を勉強したことのあるものです。
小建中湯は、色々なストレスでお腹が痛くなるときに用いると顕著に効きます。おへその両側の腹直筋が緊張していて、お仰向けになって寝たとき膝を立てた方が楽、みたいな時ですね。筋肉の緊張を溶くので腰痛に用いて功を奏することもあります。基本的には虚寒証用です。
六君子湯も虚寒証の代表的胃腸虚弱の薬ですが、食事をすると消化にエネルギーを使うのでダルクなる、みたいなタイプ用です。
食欲不振にも、胃の中に水が停滞しているタイプ、胸焼けがするタイプ、いつもガスがあってやたらゲップが出るタイプ、お通じの具合、舌が白いか黄色いか、お腹は柔らかいか、虚熱のため緊張しているか、話し声の張りかげんはどうか、等々様々な情報が必要です。
しかも長く患っていると元は実証の人なのに病疲れで一時虚証、なんて場合もあって、薬の決定にはかなりの知識と経験を必要とします。
さらに、食欲不振と軽い腹痛程度だと原因が【胃】では無い場合もあります。過労や心配事でも食欲は落ちますし、他の臓器が悪くても胃がまとめて体調不良を表明してきますから。たとえば心筋梗塞で救急車のお世話になる人は、大抵その前は食欲不振におちいり胃が悪いと思っています。(家の主人もそうでした)
一度現代医学のお世話になってちゃんと検査を受けられることをお薦めします。
その上で漢方的治療を望まれるのでしたら、薬は3日分くらい(できれば一日分)もらい、湯に溶いて飲んでみてください。
漢方薬の最後に付いている【湯】は煎じて暖かいまま状態で飲む薬を表しています。インスタントコーヒーのように湯に溶いて本来ある姿に戻してあげると効きも良いです。
臭いや飲んだ感じに嫌悪感があったら合わない薬です。又初めはそうでもなかったのにだんだん飲むことに抵抗を感じるようになってきたら、薬が効いて証が変わってきたので止め時です。人間の体は正直で、本当にぴったり合っている薬だとおいしくさえ感じますから不思議です。
残念ながら、漢方薬局や漢方医にはかなりの腕の差があります。何件か取り替えるのも作戦では(-_-;)
お礼
専門家でないのに大変良く勉強されておられ、敬服いたしました。 小建中湯や六君子湯は症状に合っている筈なのに効かなかったのは更にプラスする何かが要るのかもしれません。 虚証だが熱タイプと言われており、その辺になにか探るものがありそうにも思っています。 患者側の体験にもとずいた薬の選び方や服用の仕方には大変参考になりました。 現代医学的検査は毎年受けて異常はありませんので、暫く良い漢方薬に巡り合うように試行錯誤を続けてみたいと思います。 ありがとうございました。