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メニエール病の抗ウィルス薬治療について
最近、メニエール病などのめまいの原因がヘルペスウィルスであると考えて抗ウィルス薬による治療を行い、よい結果が得られると報告される先生がおられますが、なぜ学会や耳鼻科の医師、厚生省はこれを頑なに否定し、試すことすらしないのでしょうか。どなたか事情を知っておられるかたは、教えて頂けませんでしょうか。
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- inoge
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念のために申し上げますが、わたくしはヘルペス以外のめまいに対するアシクロビルの効果の可能性を完全に否定する気はありません。従来の薬理学では説明できない効果が存在する、という事例もまれにですがあります。脱線ですが、一例としてマクロライド系抗生剤の少量持続療法の話をご存知でしょうか。 二十年ほど前までは、びまん性汎細気管支炎という病気は9割の患者が死亡する病気でした。今では完全に克服されたわけではないとはいえ、9割は助かります。そのきっかけをつくったのはある田舎のヤブ医者でした。 ある 都会の医者がこの病気にかかった患者を担当していました。実家に帰郷して養生するというので、田舎の医者に紹介状を書きました。それから数年して、バッタリ路上でその患者に再会し、都会の医者はたいへん驚いた。とっくに亡くなっていると思い込んでいたからです。 そこで「驚いた」で終わらせなかったのがこの医者の偉いところで、早速田舎の主治医に経過を問い合わせたそうです。なんと田舎のヤブ医者は、クラリスという抗生剤を少量でダラダラと何年も処方し続けていたというではありませんか。抗生物質の効果は量が多いほどよく効くというのが従来の常識です。あまり長期投与すると耐性菌が生じて害有って益無しのはず。ところがこの薬は少量で免疫を活性化する作用があることが後から分かったのでした。しかも安い。地道に研究を重ねてこの治療法を世界的標準治療にし、貧乏だった都会の勤務医はギンギンギラギラのリッチな教授になったのでした。ちなみに、びまん性汎細気管支炎以外の多くの疾患にも有効性を認められています。 20世紀末の日本であったウソの様な本当の話です。 七戸氏もそうなるかもしれないし、ならないかもしれない。 いずれにせよ、手順を踏むことが必要です。
- inoge
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その七戸氏の報告がどのようなものか 出展をご教示いただきたいです ヘルペス抗体価くらいは調べてあるんでしょうか? 治験(=薬剤効果の臨床調査)は政府が主導するものではありません。多くの場合 製薬会社と研究者が共同で行うものです。製薬会社は薬が売れれば患者も助かる上に自身も儲かるという根本的な動機があります。アシクロビル投与にそんな強力な根拠があるのなら放置しておく方が不自然です。 なお、効果があるのが 立証済みなのに保険適応が認められていない薬剤は他にも多々あります。 一例として くも膜下出血後の脳血管れん宿に対するニモジピン(カルシウム拮抗剤の一種)です。 http://www.patient-rights.or.jp/li-kouen.htm 安い薬ではないのですが 患者が多くないため製薬会社が治験申請しないものと思われます。 別の例では偽膜性大腸炎に対するメトロニダゾールです。 http://www.jaam.jp/html/report/dictionary/word/0301.htm かなり古くからある薬で、単価が安いため製薬会社の利益になりにくいという問題があるようです。日本ではアメーバ赤痢やトリコモナス膣炎にしか適応がありません。しかたがないので一回4千円もするバンコマイシンを一日4~6回で一週間も投与せざるをえない。 これら二つの薬の場合、世界標準である治療法であるにもかかわらず、製薬会社の利益にならない(需要のサイズ、単価)ことによって保険適応が認められないという自体になっております。非常にけしからんと常々思っております。 わたくしの認識では、めまいは頻度の低くない疾患であり、アシクロビルの単価も点滴で5千円 錠剤でも小さい方で3百円、ぜんぜん安くありません。そして、めまいに対する治療としては他国でも標準的ではありません。かなりの部分が自然経過で軽快する良性のものです。脳虚血や頚椎症でも生じます。 治験を行うための根拠は(段階的でもけっこうですから)有効性を主張する人が立証責任を負うべきものです。医学に限らず、何かが「存在しない」ことを立証するのは極めて困難です。帰納的には森羅万象全てを調べないと断言できません。「存在する」と主張する人がそれを示すべきです。
- inoge
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めまい症状をきたす疾患はメニエルだけではありません。 内耳リンパ管の液漏れとか内耳の耳石が割れて移動すること 耳の血行不全などいろんな原因がありえます。 ヘルペスウィルスによる神経炎は耳の発赤や激しい痛みを 伴うのが特徴で、時として顔面神経麻痺を伴うと ラムゼイ・ハント症候群とも呼ばれます。 ヘルペスウィルスによる炎症性のめまいにアシクロビルという薬剤が 著明な効果をきたすという点については試すどころか 異論の有る医者は居ないと思います。耳以外の場所でも ヘルペスには本当によく効く薬です。 ネット医学教科書 eMedicineにもはっきり書いてあります↓ http://www.emedicine.com/emerg/topic250.htm よく効くんですけど当然ながら ヘルペス以外の原因による疾患には 全く効果はありません。副作用があるだけです。 治療としての有効性以前に、ウィルスによるものなのかどうか という 診断の話について議論が分かれているのでしょう。 なんでもかんでもヘルペスのせいにするのもまたヤブな話です 回旋性めまいの大部分を占める良性発作性めまい(BPPV)なら 放置してても後遺症無く軽快します。 そんなのに高価で副作用もありえるアシクロビルを使うのはいかがなものかという話になります。 原因についての診断をキッチリつけることが重要になってきます。 ちなみに現在の制度下でも個々の医師の判断で診断名を「ヘルペス神経炎」とすれば普通に保健適応になるはずです。 制度上否定されていることになっているのかについても おおいに疑問に思います。
お礼
inoge先生、大変くわしい回答をいただきまして、本当にありがとうございます。申し訳ありませんが、いくつか質問がありますので、書かせて頂きます。もしできましたら、またご回答いただけましたら幸いです。 「ヘルペスウィルスによる炎症性のめまいにアシクロビルという薬剤が 著明な効果をきたすという点については試すどころか、異論の有る医者は居ないと思います。」ということですが、そうすると、七戸氏の報告では、大半の患者はヘルペスが原因ではない(と診断された)にもかかわらず、アシクロビルが有効だということになります。とすると、診断が誤っているか、あるいは診断基準を変えなくてはならないということだと思いますが、そういった動きはあるのでしょうか。「高価で副作用もありえるアシクロビルを使うのはいかがなものか」ということですが、治療法もなく我慢しろと言われる患者には、試せるものはなんでも試したいというのが本心であると思われます。にもかかわらず、試すことすら頑なに拒むような学会の意向の理由がいまひとつ理解できないのですが、そこには何らかの理由があるのでしょうか。もしご存じでしたらまたどうかよろしくお願い致します。この度は本当にありがとうございました。