特にギターでスウィープ奏法と言う場合は、音程差が大きく複数の弦にまたがるような高速フレーズを弾く時に使われる奏法を指します。具体的な奏法の内容については、その前にエコノミー・ピッキングについて理解しておく方がわかりやすいと思います。
エコノミー・ピッキングというのは、弦を移動する時のピッキングの仕方を表現したもので、オルタネイト・ピッキングでは常にリズムに対して一定の運動を繰り返す(ダウン・ピッキングとアップ・ピッキングを、休符や長音などピッキングしないところでは空ピッキングなども交えて、ビートに対して交互に行う)のに対して、弦の移動方向と、移動先の弦でのピッキング方向を合わせ、フレキシブルにピッキングの方向を入れ替えるピッキング方法を言います。
例えば、オルタネイト・ピッキングでは4弦をダウンで弾いた後3弦を弾く場合は、3弦をアップで弾きますが、エコノミー・ピッキングでは4弦から3弦に移るときは、ギターを構えた時に上から下の方向に弦を移動するため、4弦がアップでもダウンでも、3弦をダウンで弾きます。このように、エコノミー・ピッキングでは弦の移動方向とピッキングの方向を揃えるので、オルタネイトで弾く時と比べてピック先が弦を飛び越して戻ってくる必要がなく、速いフレーズなどではより楽に対応できます。
スウィープ奏法は、このエコノミー奏法を立て続けに行うような奏法になります。複数の弦に渡るフレージングの時に使われ、上昇フレーズの時は上から下に各弦を一度ずつダウン・ピッキングで、逆に下降フレーズの時は下から上に各弦を一度ずつアップ・ピッキングで、一定方向にピックが動いていくような形で弾いていきます。この時のピックの動きが、弦の上を掃くように動くことから、スウィープ奏法と言われます。フレーズ的には、コードトーンを高速アルペジオ(音を重ねていくアルペジオではなく、コードトーンを順番に一つ一つ鳴らしていく意味でのアルペジオ)で鳴らす場合などに使われます。基本的には、音程の高低差の激しいフレーズを高速で弾く時に多用される奏法とみても良いでしょう。
スウィープ奏法では、ピックの動かし方が特殊な動作になります。普通のピッキングではピックを振るように動かしますが、スウィープの時には進行方向とは逆方向にピックを傾け、そのピックの角度をキープしたまま手首の位置を動かしていくことで弦を弾いていくことになります。基本的に、一度鳴らした弦は次の音を鳴らすときにはミュートするようにし、音が重ならないようにするのが普通です。
スウィープ奏法は、ミュートコントロールを正確にしなければさまにならないことや、高速で次々とポジションを押さえなければいけなかったり、また正確なリズムでピッキングするためにはそれなりに習熟を要するなど、いろいろと難しいところがあります。一つ一つの音をクリアに鳴らすのも、かなりの習熟を要します。実際にやるとしたら、一筋縄では行かないでしょう。
ギタリストで言えば、代表的奏者としてイングヴェイ・マルムスティーンの名前が挙がるでしょう。また、使用例はネオクラシカルと呼ばれる方面のHR/HMで多くみられると思います。
なお、スウィープ奏法と同じ弾き方をする奏法については、ジャズでブロークンコードを弾く際などにもよく使われていたものです。HR/HM方面ではイングヴェイが創始者のように語られることがありますが、似たような奏法は古くからあるようです。
具体的な方法については、ネット上でも触れているサイトがたくさんあります。「スウィープ ギター 講座」などをキーワード検索すれば、多数のページが引っ掛かると思いますよ。
また、練習方法を紹介するタイプの教則本やムックでも、具体的な練習フレーズを添えて紹介されていると思います。「地獄のメカニカルトレーニング」シリーズや、「究極のギター練習帳」シリーズなどを参照してみるのも良いでしょう。
参考になれば。乱文失礼しました。
お礼
なかなか難しい弾き方のようですね^^; でも頑張って挑戦してみようかと思います! 回答有難うございました!!