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ベネズエラの愛国心

3月20日の朝日新聞の分裂にっぽん、という特集記事に、ベネズエラで愛国的気運が高まっていると書かれていました。しかし、ベネズエラは大部分がスラムで、国はかなり貧しいと言われています。それでも、「アメリカが責めてきたら戦う」と志願兵が増えているようです。なぜ、ベネズエラで愛国的気運が高まっているのか、詳しい事情をご存じの方は、是非教えてください。よろしくお願いいたします。

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回答No.2

ベネズエラは開発途上国とみなされているが、保健や経済統計から見ると貧困国ではない。 ベネズエラの保健統計 http://www.who.int/countries/ven/en/ 平均寿命 男=72.0 女=78.0 平均健康寿命 男=61.7 女=66.7 出生率=2.23 1000人中の死亡率 0~5才の男=20 0~5才の女=17 15才以上の男=185 15才以上の女=97 1000人中の医師率=1.94 歯科医師率=0.55 保健支出のGDP-政府支出に対する比率=4.5%-25.2% 保健支出の政府負担-個人負担比率=44.3%-55.7% ベネズエラの経済・社会統計 https://www.cia.gov/cia/publications/factbook/geos/ve.html 為替レートベースの$1,479億 購買力平価ベースのGDP=$1,764億-国民一人GDP=$6,900 実質GDP成長率=8.8% 消費者物価上昇率=15.8% 失業率=8.9% Gini係数=49.1 GDP構成比 第一次産業=3.7% 第二次産業=41% 第三次産業=55.3% 就業人口比比 第一次産業=13% 第二次産業=23% 第三次産業=64% 輸出=$692億 輸入=$288億 経常収支=$318億 外貨準備=$359億 対外債務=$356億 輸出先 アメリカ=51.2% オランダ=7.3% カナダ=2.4% 輸入元 アメリカ=31.6% コロンビア=11.0% ブラジル=9.1% メキシコ=6.9% 人口=2,573万人 人口構成比 0~14才=29.1% 15~64才=65.7% 65才以上=5.2% 15才以上の識字率 男=93.8% 女=93.1% 宗教 カトリック=96% プロテスタント=2% 現時点でチャベス大統領が推進している政策 内政 チャベス政権以前は自国の産業・経済が外資に侵食される傾向が強く、自国の産業・経済から生み出される付加価値の自国や自国民に対する還元率が低く、外資に対する還元率が高かったので、産業の国有化や外資に対する自国資本との合弁の義務付けを推進している。 自国の産業・経済が生み出す付加価値を国家と国民に還元し、自国の産業・経済の保護・育成、社会保障、福祉、保健、医療、教育、職業訓練に対する財政支出の拡大をめざしている。 外交 開発途上国が経済先進国と自由貿易すると、自国の産業・経済が先進国の資本・企業と比較して競争力が弱く、自国の産業・経済が外資に支配される傾向があるので、自国の産業・経済の保護のために、アメリカが提唱するFTAを拒否し、南米の開発途上国のFTA締結をめざしている。 ベネズエラは金額ベースで輸出先の51.2%、輸入元の31.6%がアメリカで、輸出・輸入ともシェア1位である。輸出と輸入の対米シェアはチャベス大統領が就任した1999年当時と比較して単年度の増減はあっても概ね同水準である。ベネズエラ国営石油公社はアメリカ国内に現地法人を設立し、アメリカ各地で石油を販売している。ベネズエラは政府も議会も国民もアメリカの経済に協力し、アメリカの戦争に協力している世界の大部分の国の一つである。ベネズエラの対米輸出・輸入関係度は、イギリス(輸出の15.1%、輸入の8.7%が対米)、イスラエル(輸出の36.5%、輸入の13.4%が対米)、サウジアラビア(輸出の16.4%、輸入の13.5%が対米)、中国(輸出の21.4%、輸入の7.4%が対米)、日本(輸出の22.9%、輸入の12.7%が対米)よりも高い。 対外経済関係で対米依存率が高いので、対米依存率低下のために輸出先として中国、インドなどの大口輸出先を開拓中であり、武器の輸入元としてロシア、中国、フランス、武器以外の製品の輸入元として日本、ドイツ、中国などを開拓中である。 ベネズエラはアメリカのプロ野球MLBと傘下のファームに多数の選手を輩出し、2006年度の第一回WBCにも代表チームを派遣した。 将来的な対外関係の変化の予測 アメリカはブッシュ政権の一期目には石油産業の意向を反映して京都議定書から離脱し、温暖化対策を放置していたが、環境保護運動家や各国政府の働きかけの結果、2005年度からは温暖化対策に取り組み始め、現在では化石資源の燃料・エネルギーから、生物資源・自然資源の燃料・エネルギーの開発・普及へと政策転換しているので、アメリカの燃料・エネルギー源の主力が化石資源から生物資源・自然資源に移行した時には、アメリカとベネズエラや中東との政治的・経済的関係も大きく変化すると予想される。 アメリカとベネズエラの関係 愛国と反米は同義語ではなく本質的には全く無関係の概念・言葉である。 私が知っている範囲では、日本の新聞・テレビ放送は、チャベス大統領の過激な反米発言とアメリカとのFTAを拒否し、南米のFTAをめざす姿勢だけを見て、上記のようなベネズエラとアメリカの重大な関係は全て無視して、反米政策・反米行為・反米国家の定義もせずに、主観語と抽象語の羅列で、チャベス大統領を反米政治家、ベネズエラを反米国家と表現し、中南米諸国がみな反米であると表現しているが、それらの報道は政治的なプロパガンダであるか、自分の反米感情を満たすために都合よい発言や事象だけを見て、アメリカと中南米諸国の関係を客観的・具体的に様々な側面から見ることも無い、著しく偏向した報道になっている。 ベネズエラや中南米の反米を宣伝する人々も新聞やテレビ放送と同じく、プロパガンダや自分の反米感情に都合よい事実だけを見て、都合よい妄想だけを信じて、個々の国の現実や対外関係を、客観的・具体的に様々な側面から見ることを拒絶し、現実から逃避して、脳内妄想に自己陶酔している。 ベネズエラはアフガニスタンやイラクのようなアメリカと交戦中の国ではなく、現状ではベネズエラとアメリカの間に武力紛争が発生する可能性は無く、ベネズエラ政府・国民もアメリカ政府・国民も、ベネズエラとアメリカが仮想敵国と主張しているわけではなく、ベネズエラとアメリカが戦争するとことも主張していないので、戦争を想定した問答自体が非現実的であり戦争の煽動でもある。 チャベス大統領が推進している政策は、内政としてはどこの国の政府でも政府の責務として求められる政策であり、経済先進国ならば過去から現在まで取り組み実現してきた政策であり、開発途上国なら現在取り組んでいる政策であり、それを反米政策・反米行為・反米国家と表現することは一般的ではない。 対外関係、アメリカとの関係をどのように形成するかは、個々の国の政治的・経済的・軍事的・地理的な状況、経済や社会の発展段階、個々の国と政策を総合的に判断して決定するものであり、日本も1980年代前半までは外資に対する強い規制をしていた時代があり、現在でもアメリカとFTAを締結していないが、そのような政策や状態を反米政策・反米行為・反米国家とは表現することは一般的ではない。 上記の事実を見れば、ベネズエラはアメリカに対して敵対政策・敵対行為はしていない。ベネズエラとアメリカの関係は中立、協力、中立と協力の中間のどれかであり、敵対状態でも交戦状態でもない。 対外関係について アメリカがキューバやイランに対して行っているような敵視政策、国交断絶、経済制裁などすれば、無用の対立・紛争を生み出すだけで当事国にとっても世界にとっても有害無益である。 人間の中には誰か・何か(国家・人種・民族・宗教など)を敵視・蔑視することが生きがいで生きている人もいるが、そのようなネガティブな感情や思想は人間社会に無用の紛争や不利益しかもたらさない。

kuriabook
質問者

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詳しい説明と詳細なデータ、ありがとうございます! 大変参考になりました。

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  • edoduki
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回答No.3

事実誤認訂正 アメリカとベネズエラは事実上の紛争状態です。 アメリカはベネズエラにテロリスト(ベネズエラ隣国の武装集団)を送り込んでいるし、その武装集団に支援、軍事指導を行っている。ベネズエラもそれに対抗するために軍事拡大に余念がない。

kuriabook
質問者

お礼

ありがとうございます。 やはり、紛争は起こっているんですね。

  • DieMeute
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回答No.1

チャベス大統領が煽っているからです。 かつてアメリカはベネズエラに対し自国に都合のよい経済構造改革を押し付けました。その結果はベネズエラの富裕層、特権階級とアメリカだけが利益を得て、一般の市民、特に貧困者層はますます苦しい生活においやられたのです。 そんな時に登場したのがチャベスでした。彼は軍人で、あまりに国の貧困が酷い事に見かねてクーデターを起こします。結果的には失敗しますが、市民達からは圧制に立ち向かった英雄として喝采を受けます。そして罪を許され釈放された後は、貧困者救済を公約に掲げて選挙に出て貧困者層の圧倒的な支持を受けて勝ち、大統領となったのです。 チャベスは大統領となった後、反米・反富裕層の政策をとり、石油の収益を使い、貧困者層に対し教育や医療を受けれるようにし、物が安く買えるように色々政策を行っています。その結果、チャベスに対する国民の支持はますます高まったのです。 また、チャベスは「南米諸国のアメリカ支配からの開放」を唱え、盛んにアメリカを攻撃します。国連でブッシュ大統領を悪魔と発言したり、ブッシュ大統領がウルグアイを訪れた時は、隣国のアルゼンチンで開かれた反米集会に出席し「グリンゴ(米人に対する蔑称)・ゴー・ホーム」と叫びました。外交的にも南米諸国に反米路線をとるよう働きかけています。 こうしたチャベス大統領の反米路線をベネズエラの国民は支持しています。 一方のアメリカでは、こうしたチャベス大統領の動きに警戒感を募らせています。米政府内では「ベネズエラのオイルダラーに浸かった扇動者が民主主義に攻撃を加え中南米を不安定にさせようとしている」とチャベス大統領を非難しています。 ボリビア、ペルー、メキシコの選挙において反米路線の政治家を当選させるよう干渉したとも非難しています。 アメリカ軍としてもベネズエラがオイルマネーを利用して中国から大量の武器、それも自国の防衛に使用する以上の量の武器を輸入しようとしている事に警戒しています。 こうした事から米政府のベネズエラに対する警戒感、不信感、不快感は一線を越え、大規模な艦隊をカリブ海に派遣して演習を行う事が決定されました。この演習はチャベス大統領、ベネズエラに対するアメリカの 意思表示(これ以上敵対行動をとらないように)だと言われています。もともとベネズエラ沖合いにあるオランダ領のアルバ島とキュラソー島に米軍の基地がある事もあり、ベネズエラではアメリカ軍の行動に敏感でしたが、この演習の決定は、ベネズエラの国民を非常に刺激するものとなりました。 チャベス大統領はこうしたアメリカの動きに対し、さらに挑発するような言動をとっているそうです。 こうした事から現在、ベネズエラでは愛国的気運が高まる結果となっています。

kuriabook
質問者

お礼

ありがとうございます! チャベス大統領が煽っているのと、 米軍の挑発で、やはり愛国心は高まっているのでしょうか。 日本も最近反米的な一面が出てきたかもしれません。 近い将来、攘夷で盛り上がるかもしれませんね。