漱石の当時の読者層は?
私の経験から、読者層にもレベルがあるように思います。
世界の古典文学、日本の明治大正期の文学の多くを読み、人生経験もそれなりに重ねた20代後半の頃、当時売れっ子作家だった五木寛之の作品を読んでみると「高校生が喜ぶレベル」と思った。それから数十年、筆舌に尽くせぬ苦労をし、今は高齢になってますが、江國香織の「号泣する準備はできていた」他12編を読む機会がありました。読むに耐えられませんでしたが、苦労知らずで恋愛に憧れる「女子中学生のレベル」だなと思いました。
ところが、江國香織と漱石が似ていると書いている人がいました。とすると、漱石の読者層も現在の女子中学生レベルだったのか? そんなことはないでしょう?
漱石の作品は当時、殆どが朝日新聞に連載されましたから、朝日新聞の読者層とも重なっていると思います。現在の朝日新聞の購読層は日本で一番上位にあります。知的にも社会階層的にもです。当時の朝日新聞の読者層も社会的に上層階級の人たちだったんでしょうか? 旧制高校生や大学生は漱石は好んで読んだのでしょうか?
宜しくお願いします。