少子化の原因は、実は、結婚している夫婦が、子どもを産むのをためらっているからではないんです。
結婚しているカップルが子どもを産む数は、平均すると、ずっと2.2人でした。最近は、この数が2.08人になっていますが、ほとんど変わっていませんね。つまり、結婚しているカップルは、今も昔も、2人の子どもを生んでいるんです。
でも、出生率は、2005年には、1.26まで下がりましたね。これは、結婚しているカップルが子どもを産まなくなったからではなく、結婚しない人が増えているからなんです。
だから、少子化を少しでも食い止めるためには、子どもを育てやすい環境を作ることではなくて、人々に結婚してもらう政策をとる必要があります(個人的には、子ども手当や待機児童の解消を始め、子どもを育てやすい社会に当然していくべきとは思いますが。)。
結婚しない人が増えている理由はいくつかありますが、その一つに、若い人たちの賃金が少なく、結婚できないということがあります。20代後半から30代前半の男の人の統計をみると、年収が多い人は結婚している率がかなり高いのに対して、年収が少ない人はほとんど結婚できいません。つまり、こうした独身男性の年収を上げる政策を行うことが、結婚の率を高めることになりますね。
また、別の方法もあります。フランスでは、結婚していないカップルにも、結婚しているカップルと同じような待遇を保証する制度があるため、今では、約半分の子供は、結婚していないカップルから生まれています。日本も同じような制度を導入して、結婚していないカップルにも、どんどん子どもを産んでもらえるようにする、といった政策がありえますね。
数十年後にどうなるかについては、少子化問題は多くの人が考えているよりはるかに深刻で、恐ろしい事態が予想されています。もう悠長なことは言っていられないので、できることは何でもしていくしかないですね。