前かがみの状態で物を持ち上げるときには、どこの筋肉を使っているかといえば、背骨の後の左右についている筋肉(骨盤から肩まである)・・・脊柱起立筋(俗に言う背筋)を収縮させて持ち上げています。
背柱(骨)を弓とすると背筋は弦に相当します。弓のように弦と弓とが離れていれば力が少なくてすみますが、人の場合脊柱と背筋との距離が近いために、テコの原理で手で持ち上げるものの重さより数倍もの力が必要となってきます。
物を持ち上げるときに、多くの人が腹(腹筋)に力を入れると割と軽く持ち上げることが出来たことを経験していますね。
これは、腹に力を入れることで腹腔(腹の中)が硬く締まり、脊柱の前方の胸と骨盤の間に突っ張り棒を入れたと同じ効果を生み、また、脊柱も真っ直ぐに伸びますので、背筋と脊柱にかかる力が大きく軽減します。
>ボディビルのトレーニングの時や、重量挙げの選手が腰に巻く、幅の太いベルト
は、腹筋を締める力を受け持ち、同時に脊柱を前方に曲がるのを防止しますので、より重いものを持ち上げることが出来るようになります。
また、力を一杯に出したときに脊柱がねじれたり、不必要な筋肉の働きを防止したりして、体(背骨(含椎間板)、腰、筋肉)を保護する役目も大きいのです。
ある県のトップアスリート(20歳以下)の平均背筋力は、1番は陸上投擲(175kg)、2番レスリング(163kg)、3番がウエイトリフティング(142kg)とのデータもありました。若者のデータなのでこれで全体を推し量ることは出来ませんが、ウエイトリフティングが3番とはちょっと意外でした。
余談ですが、ぎっくり腰の予防には重量挙げの選手が行っているように脊柱が少し後ろ側に反る形で持ち上げればよいのは、上に挙げた理由です。
腰痛患者のコルセット使用も同様です。
お礼
ご返信ありがとうございます。 あれを付けたほうがより重いものを持ち上げることができるのですか。