ちょっと根本的な考え方を改めてください。
原理的な事から説明しますと、
デジタルという名称を使った機器にすると、0,1情報だから何でもかんでも劣化しない「魔法の技術」ではないという事です。
100%デジタル技術にすると、理論的には劣化しないものが作れる
という事です。また、そういう理屈やデジタル/アナログの違いを認識した上で、意識すれば伝送やダビングで限りなく劣化することがない技術として利用できるというだけの事です。
「さぁこれはデジタル信号だ。何がどうあってもぜぇーたい劣化しない優れものです!」
というものではありません。
加えて実際問題100%デジタルになっている機器は、ほぼ存在しません。
必ずなにかしらアナログ信号が介在する(アナログーデジタル変換、デジタル-アナログ変換が多少なりとも存在する)
という事になります。
それと、実質デジタル信号というものは、
アナログ信号(アナログ的な物理現象)の上に、デジタルに変換した情報を載せてそれをデジタル信号としているんです。
「デジタル信号」という全く新しい物理現象が発見されたわけではありません。
(わかりますか、0,1の信号を表現しているもの自体はアナログ信号・アナログ現象なんです。)
ちょっと話は変わって、デジタル放送とアナログ放送の関係も同様で、
デジタル放送が始まったからと言って、デジタル電波が新しく送られてきているわけではありません。
電波(正しくは電磁波)にはアナログもデジタルもありません(というより全部アナログな物理現象です)。
搬送波としての電波の中に含まれている情報が、アナログ情報なのかデジタルに変換された情報なのかが違うだけです。
そういう意味では、デジタル放送波という言い方は間違いではありません。(「デジタル電波」は存在しないので間違いです。)
さてここまで一般論的な広い範囲の話をしましたが、
(でも前提知識としては大事です。根本がわからないと結局理解できませんから。)
以下は、放送や映像信号のデジタルについてです。
テレビのチューナーで見る場合は、
ハイビジョン放送を含めたデジタル放送をチューナーが受信し、
チューナーと受像機は一体になっているので、内部で旨く変換し、
ハイビジョンはハイビジョンの解像度で、
従来の標準解像度の番組は標準解像度で表示します。
受像機(モニター画面)としての機能を持たない機器(別売り単体チューナーや、チューナー内蔵レコーダー)
の場合は、その画面を見るためには、映像信号に変換して、機器間を信号ケーブルで接続してその映像信号を出力することですることで、映像を見ることになります。
で、その映像信号にも色々な決まりごと・規格があり、また、接続するケーブルや端子の種類でも規格のものです。
昔から使われてきた映像伝送用ケーブルは、標準解像度の映像信号のみを伝えられる規格のものです。
しかもアナログ信号です。(RCAコンポジットケーブル、S端子ケーブル)
その後ハイビジョン映像の研究開発が進み実用化されたので、ハイビジョン映像もケーブルで伝える必要もでてきたので、ハイビジョン映像信号と標準解像度の映像信号両方が送れるように決められたのが、
コンポーネントケーブル・コンポーネント端子、D端子・D端子ケーブルです。
(但し、いずれもアナログ信号の伝送です。)
さらにその後、ハイビジョンやデジタル映像信号・デジタル録画の研究開発と実用化に伴いハイビジョン映像はデジタル信号で扱ったほうが都合よいという事になり、それらのデジタル信号の
伝送用のケーブルや規格が決まりました。
AV用がHDMI端子・ケーブルだし、もっと汎用として決められたのがi-Linkとかになります。
以上を理解すればわかりますが、
いくらデジタル放送やハイビジョン対応の機器でも、機器間を繋ぐケーブル規格が、ハイビジョン映像を送る事ができないもので繋いだら、それは標準解像度の映像に変換されたものでしかありません。しかもアナログ信号です。
アナログ信号に変換してしまったら、もうそれはアナログ信号以外のなにものでもありませんし、標準解像度に変換したら、ハイビジョン映像ではありません。
放送している映像がなんであろうがです。
きちんと対応しているものを正しく使用したときだけ、ハイビジョンでみたり録画できるわけです。
(以上、極力表現等は実際の専門用語などをできるだけ使わずに噛み砕いて説明していますが、
原理から実態まで説明しています。)
それと、他の方も同じような事いっていますが、
DVDは標準解像度を記録するために開発されたものです。
ハイビジョンを記録する規格はありませんし、規格が無い以上、そういう製品も作られていません。
(ない物はないので、できません。)
それを出来るように新しく開発されたものが、Blu-rayやHD DVDなどの大容量次世代光ディスクです。
テレビなどで、次世代DVDなどと読んでいますが、基本的にそれらはDVDとは別物です。
本来はこの呼び名は正しくありませんが、DVDという言葉を使ったほうが視聴者受けするので、こぞって
ニュースメディアが使っているので、いつのまにかそれが正しいようになっていますが。
お礼
御回答ありがとうございます 高度な先端技術を解りやすく解説いただきました。 >「デジタル信号」という全く新しい物理現象が発見されたわけでは ありません。 (わかりますか、0,1の信号を表現しているもの自体はアナログ信 号・アナログ現象なんです。) >ちょっと話は変わって、デジタル放送とアナログ放送の関係も同様 で、デジタル放送が始まったからと言って、デジタル電波が新しく 送られてきているわけではありません。 電波(正しくは電磁波)にはアナログもデジタルもありません(と いうより全部アナログな物理現象です)。 >搬送波としての電波の中に含まれている情報が、アナログ情報なの かデジタルに変換された情報なのかが違うだけです。 ”目からうろこ・・”です。「なるほど、そういうことか!」の一言しか ありません。「元来、自然界の事象は全てアナログな物であり、其れを 人に出来るだけ正しく効率よく伝える手段(道具)の1つとして考え出 されたのがデジタル技術である。しかし、それはまだ未完成な物でもあ る。」と思考解釈・理解を進めてみました。・・間違えていたら御指 摘ください。 >いくらデジタル放送やハイビジョン対応の機器でも、機器間を繋ぐ ケーブル規格が、ハイビジョン映像を送る事ができないもので繋い だら、それは標準解像度の映像に変換されたものでしかありませ ん。しかもアナログ信号です。アナログ信号に変換してしまった ら、もうそれはアナログ信号以外のなにものでもありませんし、標 準解像度に変換したら、ハイビジョン映像ではありません。 放送している映像がなんであろうがです。 >DVDは標準解像度を記録するために開発されたものです。 ハイビジョンを記録する規格はありませんし、規格が無い以上、そ ういう製品も作られていません。(ない物はないので、できませ ん。)それを出来るように新しく開発されたものが、Blu-rayやHD DVDなどの大容量次世代光ディスクです。テレビなどで、次世代 DVDなどと読んでいますが、基本的にそれらはDVDとは別物です。 よくわかります。 アナログとデジタルの世界。少し学んでみようと思います。 どうも有り難うございました。