要約をお願いします
外国人の友達から頼まれた文の要約をどなたかお願いします。
以下の文章です。250-300字です。
みすぼらしいアパートの一室に貧しい母娘が住んでいました。
娘はかなり前から患っていたのです。病床の窓から隣の家の塀が見え、その塀に蔦が見事なほど繁茂していましたが、
今はもう晩秋とあって、そのほとんどが枯れ落ちてしまい、あと数枚を残すだけとなっていました。娘は窓の外をぼんやりと見やりながら
「あの葉っぱが全部落ちたとき、あたしは死ぬんだわ」
とつぶやきました。母親が聞きとがめ、
「馬鹿なことを言わないで。元気を出してくれなきゃ駄目じゃないの」
しかし娘はやはり力のない声で、
「うううん、あたしの運命はあの蔦の葉っぱが握っているの」
と言って譲りません。母親は悲しそうに、恨めしそうに窓の外を見やりながら、そっと目頭をぬぐいました。
ちょうどその時、隣の部屋に住んでいた売れない画家が部屋の前を通りがかり、この母娘の会話を漏れ聞きました。
「そんな馬鹿な、自分の命が蔦の葉と連動しているなんて、そんな馬鹿なことがあるわけないのに」
とつぶやきながら、自分の部屋に入っていきました。
その日の夜、この地方を嵐が襲い、雨が激しく降り、強い風が吹き荒れました。その夜遅く、あの売れない画家が雨の中をどこかへ出かけ、真夜中をかなりすぎたころ、すぶ濡れになって帰ってきました。
翌朝、嵐はすっかり収まり、空はきれいに晴れ上がっていましたが、あの強い風に、蔦の葉っぽいはすべて吹き飛ばされているに違いありません。母親は娘の病床の前のカーテンを開けるのをためらいましたが、娘が強く要求するので仕方なく、カーテンをサーっと引きました。なんと、つたの葉っぱが一枚、しっかりと塀に貼りついているではありませんか。
「アー、神様」
母親は思わず叫びました。神様が娘に死んではいけないと教えるために、一枚だけ、あの大嵐の中を残しておいてくださったのに違いありません。
その蔦の葉っぱは、その次の日も、またその次の日も、決して散り落ちることなく、しっかりと塀にもたれていました。不思議なことに、寒い冬が来て、雪が降り積もっても、この蔦の葉っぱはびくともしませんでした。やがて春が来て、新しい蔦が生い茂り、この最後の葉っぱを覆い隠すほどになったころ、娘も新しい蔦の誕生に促されるように、徐々に元気を取り戻しました。夏も終わに近づくころ、すっかり元気になった娘は、蔦の葉っぱのことなどすっかり忘れてしまい、近所の子供たちと一緒に遊びまわっていました。
ところで、あの嵐の晩、夜遅くどこかにでかけ、真夜中をずいぶん過ぎたころ、びしょ濡れになって帰ってきた隣の部屋のあの売れない画家は、長い時間、雨に打たれていたと見えて、次の日、風邪を引き、顔が真っ赤になるほどの高熱を出し、さらに肺炎を併発して、亡くなっていたのです。
再び秋が来て、新しく茂った蔦の葉も再び枯れ始めるころ、隣の家に新たに越してきた住人が、みすぼらしくなった塀を打ち壊し、新たに立派な塀を建てたのです。こうして。決して散ることのなかったあの最後の一枚の蔦の葉の秘密は、誰に知られることもなく消えてしまいました。
補足
ありがとうございます!スッキリしました。