- ベストアンサー
皇帝(天皇)は王よりも偉いというのは、、、?
時々、教えてgoo!で天皇に関して質問があると回答の中に、『日本の天皇はエンペラー(皇帝)だから王よりも偉いんだ』とか『日本の天皇はローマ法王と同格だ』という意見が見られるのですが、これがよく解らないのです。 確かに天皇は英語ではEMPERORと表記され、さらにEMPERORはKINGの上の位に当るようですが、そもそも日本の天皇にしてもその他各国の王にしても、それよりも上の誰かからそういう位を賜ったわけではなく、単にその国で権力を握った人が『自分は王だ(又は皇帝だ)』と自分で名乗っただけではないでしょうか? とすると、どんなに偉い王や皇帝であっても、その立場というのはその国でのみ通用する立場であって、他国にとっては王でも皇帝でも同じではないのか?と疑問に思うのです。 それとも、自分でEMPERORを名乗っている以上はKINGよりも上になる(名乗った者勝ち)、という国際的なルールなのでしょうか? 私自身は日本の天皇を支持する者ですので、海外でも日本の天皇が一目置かれる存在であって欲しいとは思いますが、“天皇は他国の王よりも偉いんだ”という裏ずけになるものがあったら教えて欲しいのです。
- みんなの回答 (18)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
『日本の天皇はエンペラー(皇帝)だから王よりも偉いんだ』とか『日本の天皇はローマ法王と同格だ』という意見の元ネタは、ここらへん↓から来ているんじゃないでしょうか。 http://www.infosnow.ne.jp/~sevas/adult/japan/japan2.html 是非、次回の天皇訪米のアメリカ到着が昼間であって欲しいです。大統領が、夜の正装であるホワイトタイを着て、空港に出迎えるのだそうですから。日本人は、昼間の結婚披露宴で新郎がタキシード(夜の準正装)を着ても、別に変に思いませんが、アメリカ大統領が空港に、それも昼間に着てきますかねぇ。(笑) さて、外交儀礼上の順位ですが、席次で言えば、もし「国際ルール」があるとすれば、それは国家元首が常に最上位、もし複数の国家元首がいた場合は、先任者が上位、というものです。↓ http://www.answers.com/topic/list-of-heads-of-state-by-diplomatic-precedence&no=3 だから、現時点では、タイのプミポン国王が、一応は最上位となります。先任者を上位とする考え方自体に、「国王や皇帝といったタイトルそのものには、軽重はない」という概念を含んでいます。 但し、↑のサイトにもあるように、現実には、それぞれの国が独自の判断で順位を決めており、通常は、式典のホスト国の判断で決まります。選挙で選ばれた国家元首よりは、国王など世襲の元首の方が上に扱われるのは珍しくなく、また、主にカトリック国に於いては、ローマ法王が最上位に位置づけられるのもよく見られる事です。(裏返せば、ローマ法王と天皇が世界の二大『偉い人』ではない、という事でもあります。) しかし、式典における席次は、ホスト国とゲスト国の関係の深さの影響を強く受けるので、「国際ルール」や「世界の常識」のようなものの存在を求める事自体、かなり無理があります。 東アジアにおける皇帝とヨーロッパにおけるEmperorが、そもそも論としては別物で、偶々Emperorを皇帝と訳しただけ、というのは、既に他の方が回答された通りですが、「皇帝と国王とどちらが『偉いか』という事を考える際には、あまりそこに拘るのはどうかと、私は思います。例えば、カール大帝や神聖ローマ帝国は、概念としては西ヨーロッパに於けるローマ教会の庇護者であり、教会が国境を越える存在であった以上、概念としては、明らかに国王よりも「偉い」存在でした。ごく初期の神聖ローマ皇帝は、ドイツ王であり、イタリア王であり、ブルグント王であり、かつそのすべての支配者である神聖ローマ皇帝でした。こういう概念があったからこそ、例えば、カスティーユとアラゴンの両方を支配したアルフォンソ6世が、「全スペインの皇帝」などと自称した訳です。 そして、何よりも重要な事は、近代に於いては、皇帝という称号は、そういったそもそも論からは離れて、近代になって、実態があろうがなかろうが、勝手に皇帝と名乗れるようになった事でしょう。ナポレオンのフランス皇帝やイギリスのヴィクトリア女王のインド皇帝は、まぁ『皇帝』っぽい領域支配の実態があったとしても、所詮、自分がそう名乗りたいから名乗っただけだし、ブラジル皇帝、メキシコ皇帝には、ほとんどそういう要素はありません。東アジアでも、併合直前の韓国は、大韓帝国になりましたが、これは、清の影響を脱した事を強調する為の自称であって、別に領土が拡大したわけではありません。でも、日本もちゃんと、外交上、大韓帝国・大韓帝国皇帝陛下と呼んでいます。日本の天皇が、対外的に「Emperor」と呼ばれるようになったのも、こういう時代背景の中です。 長くなりますが、↓のサイトから関係する部分を引用しておきます。 http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/~knagai/works/coenewsletter2.htm 同じ明治政府の成立通告であっても、西洋列強との外交関係においては、この種のトラブル・不整合は生じなかった。日本の天皇が外交文書でいくら「皇帝」(Emperor)と自称しても、それが外交ルールに違反するなどとは解釈されなかった。古代ローマあるいは中世ヨーロッパであればまた話は別だが、「主権国家の至上性」なる観念が成立し、それが国際社会を律する近代的原理として定立されて以降、西洋諸国を中心に形成された近代国際社会においては、国際社会を構成する主権国家は、それ自体至高のものとして原理的に相互対等であり、一国の君主が皇帝(Emperor)と名のろうが、国王(King)と名のろうが、それが主権国家の代表であるかぎりにおいてすべては同列であって、そこに原理的に優劣の関係はない。主権者が対外的にどのような称号を名のるかは主権国家の自由勝手であって、それだけでは何ら他の主権国家を拘束するものではない、との解釈が定着していたからである。 日本の『天皇』は、そもそも論からすれば、単なる自称で、外交関係でも、中国中心の東アジアの外交関係(皇帝は中国に一人しかいない)においては、あくまで「日本国王」でした。対外的に天皇(Emperor)を主張した時(明治時代)には、既に「皇帝を自称すれば、そう呼んでもらえる」時代になっていただけの事で、そういうのを「諸外国に認められた」と呼ぶのはどうかと思います。 というわけで、今でも「皇帝」に類する称号を使っているという点では、確かに稀有ですが、国際関係上は、それ以上でも以下でもありません。 尚、現在のイギリス王室は、伝説上は、5世紀末にイングランドに来たサクソン人の首長の血筋をひいています。伝説は別としても、7世紀前半ぐらいからは概ね記録が信頼できるようになって、その頃の王の血筋をひいているのはほぼ間違いありません。ただ、元々「王位は特定の血筋に限られなければならない」という考え方自体がそれほど強くなく、まして「男系相続」にはほとんど拘わっていません。(キリスト教の影響で、一夫多妻が公式には否定されましたから、拘る事自体困難でしたし…)でも、血筋という意味では、非常に古いです。一方、中国では、王朝の交代時は、血の繋がりよりも、実力で皇帝の地位が決まります。 王位を特定の男系に限るのは、北アジアの遊牧民族に見られる特徴で、それとの類似性が、騎馬民族による日本征服説の根拠の一つになったぐらいで、そういう価値観があったから日本の皇位継承が男系相続だったわけで、そういう価値観の無い国ではそのようにならなかったもこれまた当然でしょう。 独特の価値観に基づけば、独特の歴史を持って当然で、それを、国内の一部(多く?)の人達が価値があると思うのなら、他人がどう思おうと関係ないのでは無いでしょうか?「世界にも認められた」と主張しようとするから、無理な議論になるんだと思います。 私は、男系相続に価値があると思っている人達が、「天皇家は世界にも稀な一家である」と考える事に、積極的に反対しようとは思いません。価値観の違う人間・国に「お前も貴重だと思えよ」と強要さえしなければ、それは個人の勝手だと思っています。
その他の回答 (17)
皇帝というのは アジアの中国の皇帝とかヨーロッパ全土を支配した皇帝とか 昔はやはり世界で一人しかいないという考えで間違えないと思います。 日本人は昔からプライドが高いそうで アジアの各国の王が集まる会合の席の座る位置などでもめたり 手紙で中国の皇帝に対して対等な単語を使って、皇帝を怒らせたことも あります。 中国では「万歳」というのは皇帝に対して使う言葉で 諸国の王に対しては「千歳」を使ったようです。 皇室で使ってる経費の額ならたぶん皇帝なんじゃないですか・・・
お礼
回答ありがとうございます。
- ajyu7
- ベストアンサー率55% (142/254)
東西で定義が若干異なるそうです。 西洋の場合、KINGは「王家の血筋」を引いていないとなれないそうです。もちろんKINGの地位は、その王国内の最上位という意味です。EMPERORは若干異なっていて、誰でもなれるようです。ローマ法王は枢機卿選挙で選ばれますので、王家の血筋は必ずしも必要ありません(といっても貴族が大半ですが。)。ローマ帝国の皇帝も、当初は選挙により選出されています。神聖ローマ帝国の皇帝にいたっては、法王が任命するため、必ずしも世襲ではありません。したがって、ナポレオンはEMPERORになれてもKINGにはなれなかったそうです。 東洋では、「王」が一番上の地位だったわけですが、秦の始皇帝が中国を統一した際に「俺は普通よりすごいから、使い古された「王」なんていやだ」ということで、三皇五帝という8名の古代の聖人に使われていた「皇」と「帝」を足して、皇帝という呼称を作り、それ以来は「王」の代わりに「皇帝」が呼称となっています。以後は「王」は領地を持つ地方の長であったり、皇帝の一族などの呼称(西洋でいうPRINCE)となっているはずです。 この分類で行くと、天皇は「KING」に近いともいえますし、その国の最高位の人物という意味では「EMPEROR」ともいえます。 NO1さんの仰る通り、あくまで国内の地位ですから、個人的には比較しても上下はないと思います。海外から王様がきたら天皇陛下が接待されるでしょうし、逆もまた同じでしょう。 私はカトリック教徒ではないので、ローマ法王がえらいといわれると、全くそれは感じません。 ただ、日本の天皇家は、途中の家系は怪しいところもあるでしょうが、世界で一番古くから存在し続けている皇家であるのは間違いないようです。その点は、すごいのではないでしょうか。
お礼
回答ありがとうございます。 >あくまで国内の地位ですから、個人的には比較しても上下はないと思います。 納得です。 また、私もローマ法王が偉いということは感じません。
- caesar-x2
- ベストアンサー率46% (251/542)
その話題はしつこいぐらネット上で語られますが 根本的には、中国の価値観と、 英語(あるいはラテン語)の語義との混同が 問題の本質です。 まず第一に「EMPEROR」と「KING」は 言葉の起源が全く別で、語義として上下関係はありません。 上下関係があるのは中国語における皇帝と王とです。 これは秦の始皇帝が、 すべての長として皇帝という言葉を定義して創始したからであって ローマの独裁官を起源とする「EMPEROR」とは もとも言葉が違うのです。 だから訳語として使われているものの、 「EMPEROR」は=で皇帝ではなく、「KING」も=で王ではありません。 似たような言葉なので訳語として選ばれただけで 根本的に同一ではないということが、まず理解の大前提となります。 これと同様に、天皇が英語で「EMPEROR」とされることも 意味が同じではなく、単に似てるから選ばれているだけなので この点もそれ以上議論する意味がありません。 違うものだというで終わりです。 そもそも天皇は世界に一つしかないので 完全に固有名詞といえます。 そして日本国内での”王”とはキングではなく 英語のプリンスに相当する皇族の一員を意味します。 そういう意味でも言葉として相応しないので 比較はできません。 しかしならが秦の始皇帝が皇帝を定義したときと同様に 天皇という言葉を日本人が作ったときも この言葉に独特の意味を持たせました。 それは(中国の)皇帝よりも偉いという意味が込められているのは 明らかで、”天”の皇とは スペシャルな皇帝の意味です。 だから誰よりも偉いんだという自己主張であることは 間違いないでしょう。 ただこの種の主張は、世界中で見られたもので シャー・ジャハーンみたいに世界の王を称したものもいます。 特に珍しいものじゃありませんし、 偉いんだと主張しても、それに特別な意味があるわけでもありません。 そう認めるかどうかは全くの問題ですから。 ちなみに欧州において「EMPEROR」を名乗った国家の 内部に王国があった試しは、実はありません。 ベーメンやプロシア等は、厳密には帝国外だったので 帝国の中には皇帝しかいませんし、 帝国の長こそが(欧州における)皇帝の唯一の定義です。 また同様に王国にも王しかおらず、 王国の長こそが王の定義です。 皇帝と王が一つの国家の中に権威の序列のなかでいると いう例は中国とその文化を継承した東アジアの国家だけです。 これには日本も含まれますが。
お礼
回答ありがとうございます。 西洋においてはEMPERORとKINGには上下関係はないのですね。 中国で始皇帝が“王の中の王”という意味で皇帝を名乗ったということですね。 日本の天皇は他国の王よりも偉いなどという意味はないですよね。
昔はアジア地域の王国(タイとか)の王様は、中国の皇帝の承認を受けないとなれなかったそうです。 日本もそうだったのですが、中国の皇帝の顔色を伺わないと王様にもなれないと調子が悪いので、聖徳太子がうまいこと考えました。 「皇帝」と名乗ると当然ながら中国の怒りを買い外交問題に発展しかねないので「天皇」というものをでっち上げたわけです。 これで日本は中国と対等に会話できるようになりましたとさ。めでたし、めでたし。
お礼
回答ありがとうございます。 『日出ずるところの天子、、、』という聖徳太子の対応ですね。 やはり中国に対するための天皇ですね。
- cse_ri2
- ベストアンサー率25% (830/3286)
歴史的な経緯を簡単に述べますと、大昔の日本は天皇ではなく大王(おおきみ)と名乗っていました。 まあ、大王とはいえ、ようは王様です。 しかし、大化の改新を経て壬申の乱に勝利した天武天皇は、天皇を名乗るようになります。 これは、平たく言えば中国の皇帝と対等になるためです。 当時の中国的価値観では、王は皇帝の下になります。 しかし、天武天皇を中心とした政権は、当時中国を支配していた唐の配下に入るのを嫌がり、そのため位置として対等になるために、王より上の天皇を名乗ったのです。 その後、時代が下って明治時代になったとき、誰かが西欧諸国に対して天皇をEMPERORと紹介したのでしょう。(それが誰かまでは知りません) 当時は中国は清が支配しており、清国の皇帝はEMPERORとして西欧諸国をはじめ全世界に認められていました。 天皇は形式上は中国の皇帝と同格であったため、EMPERORとして全世界に認識されたものと思われます。
お礼
回答ありがとうございます。 中国に飲み込まれないように中国と対等の独立国である、という日本の主張を表すために“天皇”と名乗っただけですね。 中国以外の国にとっては、天皇(皇帝)でも王でも言い方が違うだけで同じですよね。
- sirowan777
- ベストアンサー率14% (270/1906)
国王は名乗るだけでもなれますが、皇帝は違います。 皇帝になるには、まず国力がないとだめです。 例として太平洋の小島の主が皇帝と名乗っても、だれも認めないでしょう。 次は伝統も必要です。 日本の天皇も江戸時代までは「国王」としか認識されなかったでしょう。 その後の日本の国力で「皇帝」並みと世界から認識されたのです。
お礼
回答ありがとうございます。
皇帝の意味を”拡大解釈”している奴等の暴論です。 おっしゃるとおり、皇帝は確かに”各国の王のさらに上の存在”ですが、あくまで”その政治体制内で”です。 中国の皇帝は”中国国内”、ヨーロッパ(ローマ等)の皇帝も”ヨーロッパ内”でしかその地位は意味を持ちません。 無論日本の天皇にしたって”日本国内だけ”の地位です。 それを”世界共通認識”にするからこんな暴論になるんです。
お礼
早速の回答ありがとうございます。 >皇帝は確かに“各国の王のさらに上の存在”ですが、あくまで“その政治体制内で”です。 私の考えと同じで納得です。 王とか皇帝という言葉だけを捉えて、世界共通と解釈するからオカシイですね。
- 1
- 2
お礼
回答ありがとうございます。 >国王や皇帝といったタイトルそのものには軽重はない >一国の元首が皇帝と名なろうが、国王と名のろうが、それが主権国家の代表であるかぎりにおいて全ては同列であって、そこに原理的に優劣の関係はない。 呼び名は各々違ってもその国での元首的な立場は同じでしょうから、国を代表するような立場なのかどうかが問題であって、勝手に名乗っているタイトルは他の国にとってはどうでもいいようなことですね。