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映画「許されざる者」・・・。一体誰が許されざる者?(ネタばれ有り)
いつもお世話になっております。今日は前々から疑問に思っていたことを質問させて頂きます。 映画「許されざる者」(クリント・イーストウッド監督・主演)のことなんですが、これって誰の事を指したものなんでしょうか? 単純に敵役の保安官(ジーン・ハックマン)だと決めつけると私には違和感があるんです。だって主人公は更正したとは言え、昔は女子供も容赦なく殺した男です。劇中でも事の是非はともかく、やっていることは単なる賞金稼ぎじゃないですか。 一方、保安官があの映画で何か悪いことをしましたでしょうか? 職務を忠実にこなしただけのような気がしますが、最後にイースト・ウッドに「本当の悪党はお前だ!」と言って撃ち殺されてしまいます。大好きな映画なんですが、この映画の善悪がよくわかりません。 勧善懲悪のポップコーンムービーってわけでもないので、善悪をはっきりさせることに何の意味もないかもしれませんが、タイトルがああなっている以上、私はスッキリしたいのです。 許されざる者は一体誰なんですか?
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僕もこの映画は大好きです。 原題は"Unforgiven"ですが、僕はこれは許されざる「者」ではなく、「許しがたい行為」だと解釈しました。 人は、自分にとって許しがたい行為をされた時、復讐という道に走ってしまうこともある、決してそれ自体許されるものではないのですが、では正しいのはなんなのか、と考えていくことが、すなわち人間を考えることなのではないのかなぁ、と思ってしまいます。 そうしたテーマは、イーストウッド監督の最近作、『ミスティック・リバー』や『ミリオンダラー・ベイビー』でも見受けられ、ひりひりとした痛みを感じてしまいます。
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- naigel
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私も同じ疑問を持っていました。改めて思い直すと、許されざるはジーンハックマンではなく、主人公の イーストウッドだと思います。かつては極悪非道の道を歩んだが、改心してつつましく豚を飼い、子供を育て家庭を営んでいたのに、貧しさに負け、養豚の退屈さに負けて、家庭をほおり投げて、人殺しに走ってしまったのです。ターゲットを仕留めただけでは終らず かつての熱い血が爆発して、大量虐殺に走ってしまいましたね。(理由はさて置いて)保安官は非道だけど 職務に熱心なだけですよね。
お礼
ご回答ありがとうございます。 実は私も同意見なんです。単純に白黒つけていい映画なのかわかりませんが、人や人の行為の善悪って何だろうとこれを観て痛感しました。 カウボーイ二人組は誠心誠意とは言い難いものの、ちゃんと馬(賠償金代わり)を持って来ました。でも二人とも殺されましたね。しっかりとイースト・ウッドに止めを刺されていました。 一見あの映画の良心とも言える娼婦の皆さんも、顔を切り刻んだカウボーイを殺す為にイースト・ウッドらを雇うわけですけど、ちょっと執拗な印象を受けました。殺すまでもないんじゃないかと・・・。 「娼婦を人間らしく扱え!」と最後にイーストウッドに怒鳴られていましたが、それほどまで酒場の親父や保安官が無理無体を繰り返していた様子はまるで窺えません。彼女らが娼婦にならざるを得なかった事情も含めての事かも知れませんが、これは社会制度やなにかのせいであって決して保安官や酒場の親父のせいではありません。 イーストウッドの友人(モーガン・フリーマン)が殺されたことに腹をたてるのはまさに逆ぎれ! 何が何だか分からなくなってきましたよ(笑) ずーっとこれからも考え続けます。ありがとうございます!
- hanzo2000
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私も「許されざる者」を鑑賞いたしましたが、 鑑賞後の感想は、 「人間ってのは許されざる者なんだなー」 という感じでした。 一義的にはジーン・ハックマンが妥当なんですが、 鑑賞後、いろいろ考えているうちに、 誰に何も救われてないなーと思えてきて、 誰もが許されざる何かを背負っているように思えて、 先の感想を抱きました。 でも、答えがないのも答えですし、 あなたがこうしてスッキリしないで考えること自体が、 映画演出的には成功なのでしょうね。 こんな答えでは納得なさらないと思いますが、 個人的な感想でした。
お礼
早速の回答誠にありがとうございます。 >「人間ってのは許されざる者なんだなー」という感じでした。 なるほど登場人物の誰かというわけじゃなく、「人間」という救われない生物に対してということなんですね。 >あなたがこうしてスッキリしないで考えること自体が、映画演出的には成功なのでしょうね。 まさしくまさしく(笑) その通りですね。 どうもありがとうございました。
お礼
回答ありがとうございます。返事が遅くなりましてどうもすいません。 >原題は"Unforgiven"ですが、僕はこれは許されざる「者」ではなく、「許しがたい行為」だと解釈しました。 なるほどそのように解釈もできるのですね。英語はまったくダメなものですから、新鮮な解釈でした。復讐という行為が許されないものだということでしょうか? 正しい行いはなんなのか、ちょっと難しいですね。私にはわかりません。 イーストウッドの作品は私も大好きで上記の作品も観ました。特にミスティック・リバーは許されざる者と少し似ていますね。何が善で何が悪かの線引きが難しく、黒と白の間のギリギリの場所で人間があくせくしてましたね。それこそが人間だと言わんばかりに・・・。 ありがとうございました。