漢方薬に携わっているものです。
ここでは匿名ですが、薬局で同じようなご相談を受けた時と全く同じ心構えでお答えします。
アガリクスなどのキノコ類は、一般的に免疫力を高める、と言われているもので、宣伝などではガンが小さくなった、消えた、などかかれている事が多いですが、なんとも言えない所です。病院で取り入れているところもありますが、その報告には、アガリクスだけを治療に用いているわけではなく、色々な科学的な治療、他の健康食品、自然食品などとの併用の場合も多く、ガンに対して、どの程度の効果があるのか、はっきり断言できるところまでは、今のところ行っていないと思います。
それを踏まえた上で、考えて下さいね。
でも、アガリクス、霊芝(サルノコシカケ)、マイタケ、メシマコブ、などで体が元気になる、とはよく言われている事なのです。ガンに対して、と言うよりも、体が元気になり、ガンの治療の副作用である、食欲不振とか、抵抗力が極端に低くなることによって、他の病気を併発したり、口内炎が出来たり、と言うことを軽減するために、使うことが多いです。
また、製品としては、アガリクスも他の物も、色々ありますね。姿のまま、あるいはスライスして乾燥したものは煎じて飲みます。錠剤にしてあるものや、粉末にしてあるものもあります。どれが良いか、これも断言できないのですが、煎じた物の方が飲みやすいし、吸収も良いのではないか、と聞きます。でも入院されている場合、なかなか長時間煎じるのも難しい場合には、粉末をお湯に混ぜて飲んだり、飲み込むのに差し支えなければ錠剤はお手軽です。
一種類単品を飲むより、一種類の量を減らして、2種類や3種類飲むほうが効果があるのではないか、と聞いたこともあります。煎じるのであれば、手間も飲む分量も同じですみます。始めから一緒におなべに入れて煎じれば良いです。今はメーカーによっては煎じたエキスを、レトルトパックのような感じで売っているものもあります。
同じような目的で、漢方薬でよく使われるお薬が「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」や、「十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)」などです。これらは、胃腸の機能を高めたり、体全体の弱りがちな機能を高めたりする目的で使います。ガン以外の場合には、夏ばてや、病後、虚弱体質、貧血、アレルギーの体質改善、などに使います。2つのお薬は多少性格が違うので、それはご本人に合わせて選ばないといけません。これらも大学病院で、手術後の治療に取り入れているところがあります。
ちなみに、キノコ以外でも、サメ軟骨、キチンキトサン、など健康食品がいろいろ出ています。
何を選べば良いか、は一番難しい問題です。何しろどれも、「良かった」という人が実際いるのも事実なら、効果がなかった、と言う人がいるのも事実です。各製品を扱っている会社の方に教えてもらったり、勉強会に参加しますが、研究段階で、抗癌と言える効果は認められるが、人間の癌にどれだけ効果があるかは分からない、といったところです。
私がいつも薬局で、ご家族の方が癌にかかられた方に説明する時は、知っている限りのものをできる限り全部紹介して、資料を持って帰ってもらいます。それで、家族の方と相談してもらいます。その間に、他の薬局などを探されることも、時にはお奨めします。できる限りの情報を集めてもらって、納得されたものを、選んでもらうようにしています。金額が高ければいいというものでもないとも考えています。「高いけどすごく効果がある」と言うものも、確かにありますが、高くて続けられないものは意味がありません。経済的に可能な範囲で、続けられるものを選ぶ方がいいと思います。
さて、実際どうやって選ぼう、と言うことになりますが、yumireyaさんが、実際に扱っているお店を尋ねられるのが良いのではないでしょうか。
長く漢方を扱っている薬局は、生薬を扱っている卸し屋さんとも長いお付き合いがありますので、その卸し屋さんの性格を良く知って、商品を買い入れています。また実績や評判のある店ならなおさら、信頼できない商品は置きたくないですので、高い、安いではなく、信頼できるかどうかはかなり慎重に考慮して、店に置くはずです。ちょっと大変かもしれませんが、行ける範囲で探して歩いて、一つ一つ聞いて見られると良いと思います。薬局の薬剤師がどれだけ勉強しているか、は多分何軒か行って見て、色んな事を質問してみれば、すぐに分かるはずです。
はっきり断言できないことばかりで、余計戸惑われるかもしれませんね。早く、研究が進むことを私も願っています。
多少でも参考になれば、と思い、書きました。
がんばってください。