「どの程度」というのを客観的、定量的に示すことは難しいのですが、感覚的には、それなりの劣化を覚悟する必要があると思います。
単純にいえば、MP3 や AAC による圧縮というのは「情報の間引き」です。したがって、一度失われた情報は二度と回復することが出来ません(これを不可逆圧縮という)。つまり、ITMS で購入した楽曲は、すでに多くの情報が失われており、これを CD-R に(音楽 CD として)焼いたとしてもそれが戻ってくるわけではないということです。
この CD-R から音声を取り出すとき、「情報を間引きしない」方法で行えば、原理的には ITMS からダウンロードしたのと同じ音になります。つまり、WAV や AIFF などの無圧縮音声形式や、FLAC その他のロスレス圧縮です。
この段階で MP3 や AAC などの不可逆圧縮を行うということは、一度間引きされた情報からさらに間引きをすることになりますから、音質は当然に劣化します。
あまり妥当な例ではありませんが、ITMS で購入した楽曲が CD の情報量の 1/10 に圧縮されていた場合、Sonic Stage CP はこの 1/10 の情報を元にさらに 1/8 くらいに圧縮する、と考えれば良いかもしれません。
それぞれの codec によってアルゴリズムが違いますし、これはあくまでも超単純化した話ですから、現実問題として CD の 1/80 のクオリティーになる可能性はほとんどないと思われますが、少なくとも Sonic Stage CP に取り込んだ楽曲の音質が、ITMS で購入した楽曲のそれに劣ることになるのは明らかでしょう。したがって、論理的には、CD-R から読み出すときは、WAV やロスレス圧縮が最良で、AAC や MP3 の場合はビットレートが高いほど ITMS で購入した状態に近いまま取りこめる、ということになります。
ただし、音質の変化については個々人で感じ方が異なりますから、気になる人もいれば気にならない人もいると思われます。楽曲自体にも、音質の劣化が耳に付きやすいものと付きにくいものがあります。「人間の耳には気にならない程度」というのは、聴く人がどう感じるか次第ということになります。
お礼
大変わかりやすい説明ありがとうございました。